赤ちゃんの呼吸とへその緒の役割、病院で早く切断して良いのか?

赤ちゃんの呼吸とへその緒の役割、病院で早く切断して良いのか?
今回のテーマは、

赤ちゃんの呼吸とへその緒の役割、
病院で早く切断して良いのか?

について紹介します。

へその緒というのは、

一方は赤ちゃんのへそに、
他方は胎盤に、

それぞれ繋がっています。

赤ちゃんに必要な物ですから、

ずっとそのままにしていても、
何ら問題は生じません。

ただし、、

病院などの施設では、

そのままでは不便なので、頃合いを
見計らって切断する事になります。

問題はその「頃合い」です。

自宅→助産院→病院

という順番で早まる傾向です。

病院出産ではなるべく
早くへその緒を切断しようとします。

そのほうが、
産児を扱うのに便利だからです。

しかし、早く切ってしまって
本当に良いのでしょうか?

何度も言う通り自然の流れに
不可解な介入をするのは危険です。

ここでもう一度じっくり
検討する必要があります。

これまで見てきたように、

全てにおいてスピードを上げる

病院の介入措置には
多くの弊害があるのですから。

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へその緒はできるだけ遅く切るべき

確かにへその緒の切断のベストな
タイミングについて諸説あります。

が、どれも確かな
「科学的」根拠はありません。

できるだけ「早い」よりは
できるだけ「遅い」方が良い

という事は間違いなく言えそうです。

しかし、病院では

医療者側の都合に合わされ
早期に切断するようになっています。

多くの場合、

赤ちゃんを取り上げて
間髪を入れずすぐに切断します。

無事生まれ出てしまえば
へその緒は不要、、

というのが彼らの基本認識
になっているのです。

しかし、

人が生まれそして成長していく過程で
不要な物などないはずです。

病院側の見解では、

早期にへその緒を切断する事に
意味があると言いますが、

例えば、

へその緒の切断が遅いと、

新生児黄疸がひどくなる
という研究結果もあります。

しかしこれも所詮、病院と言う特殊な
場に限っての研究に過ぎません。

分娩台の下で産児を
受け止めて処置をするから、

早く切断しないと胎盤の血液が
必要以上に産児に流れ下るのです。

小学生でも分かるような

物理法則を彼らは
知らないのでしょうか?

それでいて、

いったん産声を上げた
赤ちゃんがへその緒を切断した後に

呼吸を止めていると、

医師や助産師は慌てふためき赤ちゃんを
ひっぱたいたり乱暴をするのです。

赤ちゃんの呼吸とへその緒の役割

ここでへその緒の役割を
もう一度冷静に考えてみましょう。

もとより、

胎児の身体は、へその緒を
流れる血液を通じて

成長し維持される仕組みになっています。

いわば生命維持装置です。

新生児はまだお腹の中にいる
胎児の時期と、

外に出て生きて行く為の
中間に位置する存在です。

つまり少しずつ外界の環境に
慣れるようにできているのです。

胎児の肺(肺胞)は、

海綿かスポンジを
圧縮したようになっていて、

羊水もはねのけてしまいます。

他方、肺を経由しないで
心臓や肝臓に血液を循環させる、

特別なシステムが備わっていて

巧妙に機能しています。

これは成長した人間にはない
特別なシステムです。

そのような状態から、

産児は肺呼吸による

循環システムへの切り替えを
行わなければなりません。

肺の動脈に大量の血液を流動させ
肺胞を血液で満たし、

ガスの交換を円滑に
とり行わなければなりません。

呼吸を始めた途端に、

即効で一挙にこうした切り替えが
なされるのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。

切り替えは、徐々にしかなされ
ないはずです。

私たちは成長しても運動機能を
手に入れるのに時間がかかります。

自転車にいきなり乗れる人はいません。

いきなりクロールで泳げるように
なりません。

すべて少しずつ鍛えてやっと
できるようになるのです。

新生児にとって呼吸は大切な
訓練の時間になるのです。

肺呼吸による血液循環の経路が
完全に確立するまでに、

生後一週間から数週間もかかります。

通常でも、産児の呼吸が規則正しく
なるまでには数日を要する物です。

ガス交換の円滑な運営が
可能になるまでにも、

相応の時間、恐らく数十分は
かかる物でしょう。

だからこそ、

赤ちゃんは肺とへその緒を通じた
胎盤のハイブリットの機能を
使っているのです。

つまり呼吸を始める前に生命維持に
絶対的に必要だったへその緒の役割が、

少しくらい呼吸を始める
レベルになったからと言って、

絶対的に不要になり
切断しなければならない…

そんな事があり得るのでしょうか?

あり得ないはずです。

自然の流れから考えれば、

へその緒というのは、徐々にその必要性を
減らして行く物だと考えられます。

赤ちゃんが呼吸困難に陥る理由

赤ちゃんがこの世界に生まれてきて、

ためらいがちに呼吸を始めた後も、

へその緒はしばらく
拍動を続けています。

これは呼吸が始まっても、

へその緒の役割を通じて血液の交換が
依然として必要である事を意味しています。

へその緒の拍動は、

場合によっては何十分も続く事もあります。

我々の運動神経に差があるように、

当然赤ちゃんによって個人差があるのです。

しかしたいていの病院では

誰でも彼でも一律の処置で
すぐにチョキンと切ってしまいます。

「分娩台を使用した
近代医学による管理的な出産」

に対して、

「自分の内側からの本能による出産」

としてアクティブ・バースを提唱している、

アメリカのお産の専門家であり
バースエデュケーターの

ジャネット・バラスカスさんは

ある助産師から聞いた
以下のような事例を記しています。

「あるお産で、一時間半も新生児の
呼吸が不規則な状態が続きました。

彼女は臍帯を切らずに、
呼吸が正常になるまで赤ちゃんに
時々酸素吸入をさせました。

観察していると、

臍帯は一時間半機能し続け、

赤ちゃんが胎盤から呼吸する必要が
なくなったときにやっと拍動が停止しました。

そして、胎盤がはがれて娩出されてからは

赤ちゃんはまったく正常な
状態になったと言います。」

『ニュー・アクティブ・バース』
(佐藤由美子訳、現代書館、1993年)

脈打つへその緒を切断してしまったら、、

赤ちゃんはどうなるのでしょうか。

赤ちゃんは突発的な酸欠状態に陥るでしょう。

へその緒の早期切断の弊害

へその緒を早急に切断した場合、

肺呼吸へのスムーズな移行が妨げられ、

場合によっては呼吸不全
(新生児呼吸窮迫症候群)

を引き起こします。

赤ちゃんの受ける精神的な
ショックは、計り知れません。

考えても見てください。

大人であっても、

溺れかけたり、物が喉に詰まったり、

呼吸が困難となり、
息が止まるような思いをしたら

強烈なトラウマとなり生涯
残り続けるでしょう。

そしてそれは常に、無意識の
レベルで作用するのです。

それが、産まれて間もなく
埋め込まれたトラウマだったとしたら。

医療の余計な介入の弊害は
とてつもなく邪悪な気すらします。

以前にも紹介したフランスの産科医
フレデリック・ルボワイエさんは

その著書『暴力なき出産』にて
以下のように記述しています。

「分娩の直後にへその緒を切るのは、
ひどく残酷な行為です。

それが赤ちゃんにどれほど
破壊的な影響を及ぼすか、

想像もつかないほどです。

へその緒が直ちに切断されると、
脳から急に酸素が奪われます。

生き物がそのような暴力行為に
いかに激しく反応するか知ってますか。

その反応は、パニック、
けたり狂った興奮、
けたたましい叫び声、

それに不安です。

わたしたちは死と呼吸、不安と生とを、
分ち難く結びつけてしまったのです。

わたしたちは神経症の
芽を植え付けたのです。」

へそのの早期切断は、

赤ちゃんにとって肉体的、精神的に
大きなダメージとなる可能性が高く、

また脳へのダメージも考えられます。

とりわけ生涯にわたる
精神、神経的な悪影響を、

産まれてすぐの赤ちゃんに
与えてしまいかねないのです。

人生に最初に起きる強烈なトラウマ

へその緒の役割を呼吸だけに見ると
視点が狭くなってしまいます。

へその緒の切断のタイミング
次第でその後の人生にまで

大きな影響を与えかねません。

お産の体験記などを読むと、

「へその緒が切られた瞬間に、
始めて赤ちゃんが産声を上げた」

などと書かれているのを
目にする事があります。

この「産声」は、実は
「悲鳴」なのだと考えられます。

赤ちゃんはショックを受けて
悲鳴を上げているのです。

お産の研究家でもある
加藤晴之さんは

次女の出生に立ち会い、
自分でへその緒を切ったそうです。

まさにその瞬間に
赤ちゃんが泣いたそうです。

「偶然とは思えないタイミングで泣いた」

というのです。

後年、話せるようになった次女はさらに
衝撃の発言をしたそうなのですが、

そのときの経験を女の子は
自ら以下のように語ったそうです。

「あれ、へその緒っていうんでしょ?
ひもみたいなやつ。

あたしが産まれて出てきた後、
あれをお父さんが切ったでしょ?

あのとき、痛かったんだよ。
痛くて泣いたんだよ。」

『子宮の夢・宇宙の夢
ー赤ちゃんが教えてくれた』
(PHP研究所、1994年)

また精神科医のR・D・レインは

自らの出生体験を
以下のように語っています。

「無防備のままに臍帯が切断された事を、

私は肉体的な打撃として思い出す
事ができます。

焼かれるような痛みが走り、
全器官は反応しました。

そしてそれは呼吸開始前の事なので、

呼吸もできず、感情や身体、
そして精神は、

危険を告げる赤ランプがつけられた
ような状態に陥ってしまったのです。

この体験は出生直後に生じ、

ちょうどフライパンから飛び出て炎の中に
逃れようとするような事に見えました。

私にとって出産は、
二度と繰り返したくない体験でした。」

『自然出産ー女の自立とゆたかなお産』
(ダナエ・ブルック、批評社、1980年)

この

「二度と繰り返したくない体験」

というのは、

精神的な外傷、トラウマとして
心に深く刻まれています。

レインさんは

「私たちは無意識のうちに大人としての
人間関係の中で何度も悲劇を繰り返している」

と言います。

病院でへその緒が早期に切断されると、

赤ちゃんはいわば切羽詰まった
状況で呼吸を学ばなければなりません。

これがトラウマに
ならないはずはありません。

もちろん私たちは全員が
出産時の記憶を持っている訳ではなく、

レインさんの証言は
でたらめと言う可能性もあります。

子供が語る出産時の過去の記憶が
正確だという証明はできません。

しかし、

もし自分の子供が、目をじっくり
見て訴えかけてきたとすれば、

あなたならどう感じるでしょうか?

へその緒を切られたショックが

今現在の私たちの精神や思考パターンに
悪影響がないと言い切れるでしょうか?

何かに急かされていつもなぜか余裕がなく、

息もできないほど、忙しくストレス
まみれる現代社会で心が疲弊する

私たちのライフスタイルと
病院出産の処置に

何かしら因果関係を感じてしまいます。

へその緒を切るタイミング

へその緒の早期切断は、

産婦にとっても危険があります。

へその緒の締め付けと
切断が胎盤の生理に影響を与え、

胎盤剥離の自然なプロセスを
乱してしまうからです。

その結果、大量出血や胎盤の一部
残留をまねく恐れが生じてきます。

また、胎盤晩出前のへその緒の切断は、

産児の血液を母体に
逆流させる可能性があります。

これによって、

次回の妊娠で血液型不適合の
問題を起こす危険が生じます。

へその緒の切断時期というのは、

産科医療の効率化
(つまりビジネス効率上)
に伴って早期化してきました。

昔は病院でも、のんびり構えていたのです。

大正時代の産科医の書いた本を
読んでみると分かるのですが、

娩出後「約十五分ばかり過ぎて、
臍帯の拍動が止んだならば」切断する、

などと書いてあります。

現在でも、古風な助産師や
自然なお産を目指す助産師の中には、

「臍帯の切断は、拍動が止まってから」

を原則としている人が少なくありません。

これは当然の配慮と言うべきでしょう。

もちろんこれは
早期切断よりはマシです。

産後すぐに切断する
病院はどうかしているのです。

しかし、拍動が止まってから

というのも決して遅くなく

これでもむしろ「早い」くらいなのです。

拍動が止まりさえすれば
へその緒を切っていいのかと言えば、

必ずしもそうではないのです。

へその緒の役割は多くあります。

へその緒の拍動が止まった
ということは、

産児の肺呼吸によるガス交換が気道に
乗り始めたという事を意味します。

この時点で切断しても、

もう赤ちゃんが酸欠パニックに
陥る事はないでしょう。

しかし、それだけで
事足りる訳ではありません。

産まれたばかりの赤ちゃんは、

肺呼吸への転換に伴い、

血液循環の状況が微妙に変化し続けます。

その変化に呼応して、血液の必要量
にも微妙な変動が生じます。

ところが赤ちゃんの身体は、

まだその変動に即応しうるだけの
能力を十分に発揮できません。

この段階で切ったとしても
まだ弊害は残ります。

とにかく急がない、
余計な事をしないというのは、

自然なお産の鉄則なのです。

へその緒は切らなくても良い

へその緒の拍動が止まったからと言って、

血液の流れまで完全に途絶えてしまう
という訳ではありません。

わずかずつですが、へその緒を通じて
血液の流入と流出が続くのです。

先ほどのジャネットさんの
事例によれば

一時間半もそれは続くのです。

一体それは何の為でしょうか?

ズバリ赤ちゃんに必要な
血液の量を調整する為です。

拍動を終えたへその緒と胎盤は、

血液の貯蔵庫として機能します。

そしてそれを上手く使い

赤ちゃんが心身共に元気に
育つ為の調整をしてくれるのです。

陶芸家は作品を作るとき、

大きな形ができれば完成!

とは決して言いません。

大きな形を作り後は細かい微調整を
して、作品を作り上げます。

へその緒の拍動が
止まったからといって、

出産終了ではないのです。

直ちにへその緒を切断して
良い訳ではないのです。

へその緒の切断は、
遅ければ遅いほど無難です。

もっと言えば、

へその緒は実はそのまま
自然に放置するのがベストです。

胎盤と繋がったまま、
乾いてとれるのを待つのが理想です。

実際、へその緒を切る慣習の
ない社会も少なからず存在します。

プライベート出産では、

そのタイミングを自分で判断できます。

ただ、自然にとれるのを
待てる人はあまりいません。

やはり不便が生じる事があるので
ある程度待った上で切断する人が多くいます。

(※その適切な切断方法も
今後詳しく紹介します。)

しかし、数時間は最低でも待つ事が
可能であり、

赤ちゃんの心身に悪影響が
なくなるまで待つ事ができます。

WHOの『実践ガイド』でもへその緒の
切断に関しこう指摘されています。

「遅く留める事
(またはまったく留めない事)こそ、

へその緒の生理学的に正当な処置法である。

早期の結紮(けっさつ)は特別な
理由づけを必要とする介入である。

へその緒が遅く留められたときの、

胎盤から産児への”輸血”は、
生理学上合理的であり、

少なくとも通常のケースでは
その悪影響は考えられない。」

結論から言えば、

へその緒の切断は必要な
ことではないという事です。

どうしても切断するなら

出生後数時間を経過してから
行うべきです。

数時間経ってもまだ胎盤が
出ていない場合なら、

とにかく胎盤が出るまで待ちます。

へその緒の切断というのは、

実施するとすれば、

お産の最後の仕上げとして
行うべき物と言えるのです。

病院のタイミングは早いに度を超しており、

母子の今後の心身の健康にまで影響を及ぼす
極めて悪質な介入と言わざるを得ないでしょう。

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