WHOが証の統計をとり漢方の有効性が見直されグローバル化へ


今回のテーマは、

WHOが証の統計をとり漢方の
有効性が見直されグローバル化へ

について紹介します。

未だにインチキ、気休め
程度にしか思っていない

漢方の世界ですが、

そんな事はありません。

しっかりとその有効性は
実証されつつあります。

WHOが証の統計をとり始め
いよいよ漢方もグローバル化へ
進む事になってきました。

これは良い事である反面
悪い事も発生します。

漢方など伝統医学の
見直しが世界中で進み、

その有効性が広がる事は、
世界の人々のために有益な事です。

しかし、それが故に
新しい問題も起こり得るのです。

この問題について
詳しく見ていきましょう。

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WHOで見直され始めた漢方医学

国際公衆衛生の専門機関である
WHO(世界保健機関)ですが、

2008年11月に興味深い
動きがありました。

プライマリ・ケア(初期治療)
における伝統医学の必要性を謳った

アルマータ宣言から
30周年を記念した大々的な会が

WHO(世界保健機関)の
マーガレット・チャン事務局長を
招いて中国北京でおこわれたのです。

そこで議論された内容により、

漢方など伝統医学に対する見直しは、

西洋医学が普及した欧米を
含めた大きな潮流となり、

伝統医学のグローバル化が
求められていくようになったのです。

現在WHOでは
ICD(国際疾病分類)第十版から
11版への改訂作業が進められていますが、

ここに伝統医学を織り込む
計画が進行中です。

2015年に改訂される11版(ICD-11)

には漢方診断である
「証(しょう)」が採用される予定です。

…これは西洋医学と統合医学の
融合を目指す統合医療の観点からみれば
素晴らしい進歩といえるでしょう。

漢方の「証」の統計をとれるようになる

ICDというのは、
様々な地域や時代の死因や
疾病データを記録して

分析して解釈や比較する
ための基礎になる分類です。

1900年代から、
100年以上も西洋医学だけで
分類されてきました。

「日本ではかつて
胃がんが多かったけれども

現在では肺がんや大腸がんの
比率が上がった」

「アメリカの死因は、
ガンよりも心筋梗塞などの
心疾患が多い」

など比較できるのも、

この分類によって世界中で
病名の統一がなされているからです。
したがってこのICDに
入るということは、

西洋医学とは違った体系の
伝統医学が

世界の主流をなす医学の中に
位置づけられている事を意味します。

これは大きな意義を持ちます。

そのひとつが漢方の有効性を
示すデータが蓄積できる事です。

今までは、漢方としての
統計が取れていなかったのです。

経験則から有効性を信じるしかなかった
伝統医学の世界に、

エビデンスが適応できるようになるのです。

漢方の「証」と西洋医学の違い

漢方の「証」は、
西洋医学の病名とは
本質的に異なるものです。

西洋医学では病名に
対して薬が決まっていて

病名が分からないと
治療に結びつきませんが、

漢方の場合は、病名ではなく

それぞれの人と症状を
診て薬が決まります。

個人差を重視するので、

同じ病気でもそれぞれの
体質や病気への反応で
使う薬は違うのです。

この個人差をグループ事に
分類したものが「証」です。

つまり「胃炎に対してはこの漢方薬」
といったように、

西洋医学で病名診断して
漢方薬を使う事はありません。

そのため、これまでの
病名分類では、

統計の取り用が無かったのです。

ここが東洋医学の世界が
「オカルト」「インチキ」「気休め」

何ど批判されているゆえんです。

同じ西洋病名であっても
証が違えば薬も違います。

逆に証が同じなら

違う西洋病名でも
同じ薬が使われる事になります。

これを

「同病異治」「胃病同治」

と呼びますが、

漢方はあくまでも薬を
証に基づいて使います。

このWHOの動きは
そう言う意味で良い流れです。

既に漢方は「何となく良い」
と言った存在ではなく

「実際に良いものだ」と
証明され始めている段階なのです。

漢方の体系に則った分類が
なされることで、

さらに統計データや
エビデンスがそろうのです。

漢方のグローバル化の弊害

グローバル化と言うと

数年前までは「望ましい事」と
捉える事が多かったでしょう。

世界の人たちが密接になり、
ますます発展していくと言う意味で
捉えていたからです。

世界基準と言う言葉が
日本でも広がりました、、

しかし、現実は

「金融グローバル化」
「市場のグルーバル化」

によって、

経済格差の拡大が起きるかなど
負の側面がある事も知れ渡って、

今では

「手放しで受け入れられるのは危険なこと」

と考えられるようになりました。

つまりグローバル化は
強者の理論だったと言う訳です。

「漢方のグルーバル化」
にも同じ事が言えます。

漢方も強者の理論に則られると
本質を見失い可能性もあり、

曲解されて伝わる事もあるでしょう。

果たして、
真の医療につながる発展になるのか、

それとも資本主義の餌食になるのか、

実は今、漢方の世界も
大きな曲がり角にあります。

グローバル化による漢方存続の危機

漢方など伝統医学も取り入れ
西洋医学と融合させながら

高齢社会の日本が
「統合医療の先進国」
である事を活かしていくべき時に

実は今、漢方が存亡の危機にあると
言っても少しも大袈裟ではないのです。

その理由は大きく分けると

1.生薬資源の枯渇
2.中国が狙う「中医学」の標準化
3.国民の無関心

の三つです。

これについては今後も
詳しく紹介していくつもりですが、

とりあえず要点だけ説明します。

WHOが証の統計をとり始めるなど、

日本国内はもとより
伝統医学が世界的に注目された事で

漢方薬の原料になる生薬が
世界中で奪い合いになっています。

生薬と言うのは
植物など天然素材から作られた薬で

もともと主産地は中国でした。

日本でも主要な生薬は
作られていたのですが、

需要が伸びているのに、
生産農家の高齢化や跡継ぎ不足のために
供給が低下しています。

生薬の自給率が低くなるばかりで

日本国内での生産が
13%ほどなのに対して、

中国からの輸入は82%
程度に達しています。

輸入に頼る際の問題点は
「必ず買えるとは限らない」
ことですが、

実際に既に中国は
甘草(カンゾウ)と麻黄(マオウ)
という二つの生薬に

輸入制限をかけています。

表向きは「砂漠化を防ぐため」
としていますが、

レアアース同様、
戦略物資にもなりえます。

生薬の需要が世界的に
伸びている理由は、

ヨーロッパとアメリカで
注目されてマーケットが
拡大した事と、

中国が経済発展した事が大きいです。

中国の台頭と漢方の衰退

グローバル化は
多くのお金の流れを生み出す、

貧富の差を生み出す特徴があります。

だからこそ、
漢方の見直しが進む事は、

そのマネーゲームに巻き込まれると言う事、

以前の中国では伝統医学に
頼るのは貧困層が多かったですが、

今では裕福層が質の良い生薬を求めて
中国国内での需要が
急上昇しています。

さらに悪い事に
中国国内の富裕層が
投機マネーを生薬マーケットに
投じている事も挙げられます。

土地の私有が出来ない中国では
投機先が限られています。

その対象が生薬になっている
と言う話しもあります。

日本では薬価が国に
決められているため

医療用の漢方薬は製品の
価格に転嫁できません。

現実としては
不採算となった漢方薬が消えつつあります。

漢方薬がなくなれば有効性どころか、
漢方そのものがなくなってしまいます。

現代の医療が抱える様々な問題点は

漢方の活用によって
解決していく事が期待できます。

しかし漢方が一人で隆盛して

統合型のよりよい医療になるかと言うと
そうでは無いのです。

現状のままで放っておけば
漢方そのものが

縮小、消滅しかねません。

今、漢方はその帰路にあると言えます。

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