博物的知能と概念の理解、抽象化、認知に関する脳の部位、領域

博物的知能と概念の理解、抽象化、認知に関する脳の部位、領域
今回のテーマは、

博物的知能と概念の理解、抽象化、
認知に関する脳の部位、領域

について紹介します。

昆虫を採集して分類したり、

草花の名前をよく
知っていると言ったように、

生物の種の違いを見分け、

それらを互いに関連
づける自然理解能力は

博物的知能と呼ばれ、

脳の左頭頂葉に主要な
領域を持っています。

ガードナーによれば、

博物的知能に損傷を
受けている人は、

無生物を見分けて命名する
能力は残っていても、

生物を見分ける能力を
失っていたり、

逆に、生物を見分ける
能力はあっても、

無生物を見分けるのに
障害が現れるとしています。

ただ、ガードナー自身は、

こうした生物と無生物を
見分ける能力、

すなわち、

分類能力の神経中枢が、

脳のどの部位にあるかについては
直接触れていません。

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博物的知能と脳の障害

視覚機能にはまったく
障害がなく、

適切な物体知覚の
能力を持つ患者でも、

物体認知に障害を示す
脳損傷の臨床例があります。

このような患者は、

目の前に示された物品
について意味づけを
する事が出来ません。

例えば、

聴診器を示されると、

彼らは

「長いコードで、端に
丸いものがついている」

「時計ではないですか」

と言ったりします。

物事の形状などについては、

認知できているのですが、

物品の用途を理解したり、
表現する事に障害が出ているのです。

このような症状を示すものを
連合型視覚失認といいます。

概念の理解、抽象化、認知に関する脳の部位

この型の失認では、
以下のような解離が見られます。

例えば、

木や花や身近な物品の
認知はまったく問題がないのに、

動物を認知する能力には
障害が見られ、

猫とリスの区別が出来ない
と言ったことが起こります。

また別の例では、

無生物の絵の認知は
上手くできるのに、

動物や植物の認知は
まったく出来ません。

さらに、犬や牛などの
動物の区別では何ら問題ないのに、

コップや花瓶などの
物品の区別では重い障害を
示した症例もあります。

このような連合型視覚失認では、

主として、左脳後方部に
損傷を持つ例が多く見られます。

博物的知能に関する脳の部位、領域

物品や動植物の特徴を抽出し、

その異同を判断して分類する、

或は関係付ける能力が
著しく障害を受ける、

連合型視覚失認は、
生物の種の存在を認知し、

種の種類の違いを見分け、

それら相互間の関係を理解する
と言った博物的知能の損傷と
関係していると考えられます。

従って、少なくとも
博物的知能に関わる

脳の領域、部位は、

左脳の後方領域と関係している
と推定されます。

あるものと別のものと
区別したり、

また、関係付けたりする
博物的知能は、

それぞれのものの
本質的特徴を抽出する

抽象化の能力とも関係しています。

心理学者クルト・ゴールドシュタインが

「抽象的態度」

と呼んだものです。

抽象的態度というのは、

ある対象をそれぞれの
具体的特性において
見るのではなく、

その対象を包括する概念、

或はカテゴリーの
一つの事例として見る
内的態度のことを言います。

抽象化と博物的知能

抽象的態度を失った人は、

分類テストにおいて

タバコとパイプと言う
実践的、具体的関係を
持ったもの同士は

一種に分類できても、

パイプと灰皿を喫煙用具として

同じカテゴリーに
分類する事が出来ません。

抽象的態度を失うと、

対象を実践的、具体的にのみ
捉えるようになり、

概念的カテゴリーの
一つの事例や代表として

捉える事が出来なくなるからです。

このような抽象的態度には、

前頭葉が深く関わっている
と指摘されています。

抽象的態度は、

カテゴリー化の能力です。

前頭葉に損傷があると
抽象的態度が障害を受け、

こうした症例では

カテゴリーテスト、
分類テストに置いて

誤りが多くなります。

これらの事は、

抽象化の能力に
関係する前頭葉が、

博物的知能のに関わる
脳の領域、部位の一つで
ある事を示しています。

ガードナーが
指摘しているように、

博物的知能に関係する
脳領域は明確にされている
訳ではありませんが、

左脳の頭頂葉を含む
後方領域と前頭葉、

中でも前頭連合野が
博物的知能により深く関係する
脳領域と考えられます。

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