バルテズの生涯発達という考え方、人間の発達の段階と区分

バルテズの生涯発達という考え方、人間の発達の段階と区分
今回のテーマは、

バルテズの生涯発達という考え方、
人間の発達の段階と区分

について紹介します。

1980年代に入ってから、

人間の発達を受胎から
死に至までの生涯にわたって
捉えるべきであるとする

「生涯発達」
(Life-span-development)

という発達観が登場してきました。

この考え方を提起した
ドイツのバルテスという人は

「発達は全生涯を通じて
常に獲得(成長)と喪失(衰退)
とが結びついて起こる過程である」

と定義しています。

生涯発達について研究している研究者は
このバルテスの考え方を受けて

「乳児だけではなく、
大人においても事物は

『なくなった』『失った』とき
初めてその存在を認識できる事が多い。

出会いよりも『別れ』の方が印象に残る」

とのべ、発達における喪失の
意義を指摘しています。

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人間の生涯発達という考え方

確かに身体的成長や記憶力は
20歳くらいをピークに緩やかに
衰退していきます。

一方で、人生を生き抜く知恵や
技は磨かれていきます。

人生80年という社会になった今、

獲得や増大だけではなく、
衰退、喪失する事も
受け入れながら人生を歩んでいく事が

私たちの発達であると言えるでしょう。

生涯発達の英訳

life-span development

にあるspanは

「端から端までの長さ、全長」
を意味しています。

まさに人生の始まりから終わりまで、

私たちは様々な発達を
遂げていく事になるのです。

中世ヨーロッパでの発達という考え方

そもそも学問としての
発達心理学が誕生する前

ヨーロッパにおける
子供に対する考え方は今とは違います。

中世から近世にかけての
西欧社会では、

子供は大人とは異なる
独自の存在として扱われて
いなかったと述べています。

『子供の誕生~アンシャン・レジーム期
の子供と家族生活』

という本の中で、

著者はヨーロッパ絵画に
描かれた子供を分析し、

17世紀に至るまでの時期は

子供期という考え方が
存在していなかったと分析しています。

当時のヨーロッパに置ける
子供の死亡率は非常に高く、

大人たちの子供への関心は
非常に低く、

子供は大人のミニチュア
(小さな大人)としてしか
扱われていなかったそうです。

ですから生涯発達という考え方は
非常に新しいものであり、

人間の発達の段階と区分を
分けるのは最近の考え方なのです。

先人たちが考えた人間の発達の段階と区分

人間の一生における
変化を明確に捉える事は
非常に難しいのですが、

これまで、発達段階と言う
視点から人の発達過程の特徴を
捉えるのが主流でした。

バルテズ以外にも様々な
先人たちがバルテズの人間の発達の
段階と区分を分けました。

古代アテネの立法家で
ギリシャの7賢人の一人である
ソロンは人生を7年ごとに10の時期に分け、

ギリシャの医学者である
ヒポクラテスは7つの時期に分類しています。

後の教育制度区分にも
大きな影響を与えたコメニウスの分類では

教育の時期(1~6歳)

母国語による学校教育の時期(7~12歳)

高等教育準備過程としての
学校教育の時期(13~18歳)

大学教育の時期(19~24歳)

と、発達過程が4段階に分けられています。

現代の発達心理学では

胎児期、新生児期、乳児期、幼児期、
児童期、青年期、成人期、高齢期

と8つに区分して論じています。

またフロイトは人間の性の発達を、
ピアジェは思考の発達を、
エリクソンは心理社会的発達を

それぞれ生涯の視点から論じています。

これからこうした理論にも
解説をしていきます。

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