自分本位でわがままだけでない人の立場を考える子供の育て方

自分本位でわがままだけでない人の立場を考える子供の育て方
今回のテーマは、

自分本位でわがままだけでない
人の立場を考える子供の育て方

について紹介します。

この人間社会でうまく生きていくのに
知恵というのはもちろん重要でしょう。

しかし、何を持って知恵を
測るのかはとても難しいです。

このテーマで何度も
お伝えしているように、

頭の良いことと賢さは違います。

以前、「賢い」の定義として
4つの特徴をあげたのですが、

「賢さ」が「頭のよさ」と最も違う点は

恐らく第四の定義、

人の立場が分かる事でしょう。

というのは、

頭のよさが、ともすると

自分本位の行動を生みがち

なのに対して、賢さの中には

自分の利害を振り回さずに他人の
立場を思いやる態度があるからです。

頭の良さが、

テストの点や成績など
個人プレーなのに対して、

賢さは集団プレー
とも言えるかもしれません。

その極めつけとも言えるような、

一つのケースをご紹介しましょう。

ある中学校の教師の実際に
あった体験談なのですが、

その先生にとって
生涯忘れられないような、

感銘深い思い出だと言います。

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一見、自分本位なわがままな子供だか、

それは先生が初めて赴任
していった学校での事でした。

もちろん先生自体が初めての
経験だったので気負いもあったでしょう。

気を引き締めて臨んだ日のこと、

ところがそこでその後の教育観を
変えるような出来事を経験するのです。

始業式の日で、
式が終わってから教室に戻り、

最初のホームルームと言うか、
クラスのミーティングをやっていたのです。

新しい先生だというので
教室の雰囲気は硬く、

生徒たちも緊張してコチコチ
になっていました。

そのうち一人の男性生徒が
いきなり立ち上がって、

外に出て行ってしまいました。

先生が「?」と思いながら、

「トイレにでも行ったのかな…」

と考えました。

するとほどなくその生徒が
戻ってきたのですが、

手には一杯の水が入った
バケツを持っています。

そして「あっ」と思う間もなく、

一人の女子生徒の頭から
その水をぶっかけたのです。

女子生徒は泣き出すし、

周りの生徒たちも「何をするんだ」
という事で大騒ぎになりました。

その先生が、

「なんでこんな事をするんだ」

と聞いても、その生徒は
ふてくされた様子で黙っています。

問題児の態度を観察してみると…

まさに一見、自分本位で
わがままな問題児のように映ります。

先生がさらに厳しく問いつめると

「前からあの子がちょっと憎らしかったんで…」

というのです。

こう聞くと、ますます

その子はただのいじめっ子で、
自分本位のわがままな子に見えます。

そこで「問題児」のレッテルを貼り
その場をやり過ごす事は可能でしたが、

その先生には妙な違和感を覚えます。

まあ生徒同士の仲違いは
別に珍しい事ではありません。

それでもちょっと憎らしいからと言って

先生やみんなのいる所で
バケツの水を頭からぶっかける
なんて言う行動は

いささか尋常ではありません。

しかしそれ以上いくら聞いても
頑として他のことを言わないのです。

なのでその場はとにかく収めて
しばらく何も起こらずに
学校生活は続いていきました。

二年、三年と受け持ち、
ずっと見てきたけれども

特別異常性のある子供という
訳ではありませんでした。

むしろ勉強もそんなに
できるわけでもなく、

普段は特に目立たない子なのです。

ある時何かの折、

その事先生が二人きりに
なったことがありました。

ずっとこのことが
気にかかっていた先生は

「先生に本当の事を話してくれよ」

と、

あの行動の真意を尋ねたのです。

人の立場を考える子供の育て方

すると

「先生がそこまで聞くんだったら話すけど
本当は僕はあの子が大嫌いだったんですよ」

と。

それでもまだ先生は信じられませんでした。

じゃあなぜ、よりによって
あんなときに、あのタイミングで、

しかも頭から水をかけるなんて…

しかし、その子は黙ったままです。

時は流れ、いよいよ
卒業という事になりました。

卒業式も間近に迫ったある日、

先生は再びその生徒に尋ねました。

するとようやく
腹を打ち割って話したのです。

このまま自分の疑問が解けなくては、

自分は教師としてやっていけない、

頼むからあのときの行動の真意を
教えてくれないかと、

するとしばらく考えてから
彼はこう言ったのです。

「これあの子の名誉のため、

絶対にひとに言っちゃ行けないと
思っていたから言わなかったんだけど。

緊張して”お漏らし”しちゃってたんですよ」

それを隠してやるために

彼は水をぶっかけるしかない
ととっさに判断したのでした。

そして自分が悪者になり
一幕の芝居を演じたのです。

まさに人の立場を考えられる
素晴らしい子供のエピソードでした。

自分本位と利他主義のバランス

彼がその女子生徒の事を
好きだったのかどうか、

そこまではよく分かりません。

しかし彼の機転の利いた大胆な行動は

間違いなく一人の女の子の
絶望的な状況を救ったのです。

「子供っているのは凄い事を考える
ものだって、つくづく感心しました。」

と、その先生は述べています。

「情けは人の為ならず、
めぐりめぐって己が身のため」

と言います。

もちろん彼がとっさに判断した時には、

そんな功利的な考えは
露ほどもなかったでしょう。

ただ、結果的に彼女のピンチを
救えたという満足感は、

たとえ秘めたままであっても

何か自分の喜びや自信に素直に
つながっていったのではないでしょうか。

自分本位だけでない、
利他主義だけでも良くない、

バランスが重要なのは
言うまでもありません。

わがままも悪い事ではないのです。

人の立場に立つ事ができる子は、

人が困っている状況を良く理解できます。

そして、その状況から
その人を救うためにはどうするかを

的確に判断します。

これは大人でも難しい事です。

妙な助け方をすれば
相手のプライドを傷つけてしまうし、

その事によってかえって
関係が悪くなることもあります。

賢い人はそこで知恵を働かせ
上手い方法を見つけます。

そして子供にもそうした
賢さがある事は、

この話しがよく証明しています。

その賢さを発揮できる
子育ての方法を私たちは考えて
いかなければいけないと言えるでしょう。

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