狩猟採集時代の食事に見る人類の寿命と進化と暮らし方の変化


今回のテーマは、

狩猟採集時代の食事に見る人類の
寿命と進化と暮らし方の変化

について紹介します。

人類は農耕が開始される
約1万年前までは

狩猟採集民族として暮らし、

食事は野生の植物に頼っていました。

つまり、食物を手に入れても
数時間~数日には食べ尽くし、

最終のために近場の食料が
枯渇すると野営地を数日、数ヶ月事に
移動するような生活だったでしょう。

現代のように一カ所に定住し
冷蔵庫の中にいつでも食料がある時代
とはまるで違うライフスタイルです。

こうした採取時代の人類の生き方は、

昼間は絶えず食物を探し、
夜になれば肉食獣の補食の恐怖に
怯えながらかがり火の周りに集まるような

恐怖と危険と苦労に満ちた
時代だったと長年思われてきました。

健康レベルも低く短命で
不幸なライフスタイルを送ってきた
と言うイメージがあります。

例えば17世紀の有名な哲学者
トマス・ホッブスは『リバイアサン』で

狩猟時代の人類の様子を
以下のように記述しています。

「時間の観念、芸術、文字、社会
といったものがなく、

さらに絶え間なく、
恐怖と暴力に怯えている。

その当時の人間の一生は孤独で
野蛮でみすぼらしく短命であった。」

それに比べ社会が進むにつれ
人類の文化も寿命も進化したと言う事、

なるほど…と思わせる説です。

ただ、これは事実ではない可能性があります。

今回は狩猟時代の食事に見る
人類の寿命と進化について解説します。

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狩猟時代の人類は実は豊かだった?

近年の研究者の中でも、
似たような主張をする人も多く

例えば、

アフリカや中南米で
野生野鳥類の研究をしている

ワシントン大学の
ラバーと・サマスン教授も

「人類は有史以来『狩猟される側』であって、
その補食による圧力が人間を現在のように進化させた」

と主張しています。

しかしこうした主張の一方で、
全く逆の意見もあるのです。

人類学者であるマーシャル・サリーンズさん

コロンビア大学の元人類学教授の
マーヴィン・ハリスさん

彼らは様々な根拠を挙げながら、
特に食事の面において、

「狩猟採取生活は豊かな植物と
余暇の時間に恵まれた『最初の豊かな社会』だった」

という真逆の主張をしているのです。

…一体どちらが真実なのでしょう。

もちろん彼らの証言は
タイムマシーンが無い限り得られません。

本当の真実は誰にも証明できませんが、

考古学の調査をもとに類推してみれば、

まず、狩猟採集型の移動生活から
農耕型の定住生活が始まった1万年前に

人類の健康状態には
劇的な変化が起こった事が分かっています。

最も驚くべきなのは、

狩猟時代には約40年だった
平均寿命が、

農耕時代に入ると
約20年と半分になっている事、

以外と思われるかもしれませんが、

この20年ほどの平均寿命は、

先進国においては、
18世紀後半までずっと変わらない
状態だったと言われているのです。

こうした要因を考えれば
興味深いですが、

暮らし方の変化は健康や寿命に
大きな影響を与える事は確かです。

狩猟時代から人類の寿命は進化した?

さらに狩猟時代から農耕時代に入り
低下したのは寿命だけではなく、

身長も驚くほど低下したのです。

化石調査をもとに比較していくと、

狩猟時代の初期には
男性の平均身長は180cm、
女性は168cmあったものが、

農耕定住生活が確立された
紀元前3000年には

男性の平均寿命は160cm
女性は152cmまで落ち込みました。

また、乳児死亡率、骨粗鬆症、虫歯、
栄養失調(脚気、壊血症、ペラグラ、貧血、IQの低下)
感染症の増加なども認められ、

生きている間の健康状態も
狩猟採集時代と比べて、

著しく質が低下したのです。

さらに農業革命が起こった頃の人々は

病気にかかりやすく、寿命が短い
「人類史上最悪の時代」を過ごしたのです。

食事の変化に見る人類の寿命と進化

狩猟時代から農耕時代へと
時代が進む事で、

人類の寿命は減り、進化より
むしろ退化したとも言えます。

暮らし方の変化により、
退化をしてしまったのです。

こうした健康状態の低下は
食事面の変化が大きく、

深刻な栄養不足がもたらしたもの
と考えられています。

狩猟採集民族は

マンモスのような大きな動物から
シロアリのような昆虫に至るまで

無数の種類の獲物から
たんぱく質を摂取していました。

また、ビタミン、ミネラル、食物繊維、
ファイトケミカルなど

豊富な栄養素を含む
100種類以上の植物やベリー類を
摂取していました。

それが農耕時代に入ると、

栽培収獲に適し、長く保存できる食品、
つまり穀物中心の食事内容に
切り替わってきます。

3大穀物と言われる
小麦、トウモロコシ、米は

いずれも必須アミノ酸が欠如しており、
血糖値を上げて体重を増加させる糖、

そして消化にダメージを与える
様々な物質(「抗栄養素」)を含んでいます。

こうした食事の結果、

炭水化物の割合が3倍近くに
増えたのに対して、

たんぱく質、ビタミン、ミネラルなど
必須栄養素が深刻に不足し、

短命、低身長、病気の増加をもたらしたのです。

そしてさらに時代が進み、、現代社会。

確かに寿命は延びました。

狩猟時代の40年に比べれば
倍の80年ほど生きるようになりました。

…が、健康で心が豊かになったか?

と言うと決してそうとは言い切れない
一面が存在します。

次回はそんな狩猟時代の
ストレスについて詳しく解説していきます。

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