系統的脱感作法の特徴:段階的に不安を克服する心理セラピー

系統的脱感作法の特徴:段階的に不安を克服する心理セラピー
今回のテーマは、

系統的脱感作法の特徴:段階的に
不安を克服する心理セラピー

について紹介します。

系統的脱感作法とは、

不適切な刺激、つまり不安反応の
習慣化されたパターンを

段階的に消去していこうとするアプローチです。

南アフリカ共和国の心理学社、精神科医
ジョセフ・ウォルピさん
(Joseph Wolpe,1915-1998)

によって紹介された心理セラピーです。

不安を引き起こす刺激を、
学習によってポジティブな反応と
結びつける事によって、

最終的にはその刺激を見ると
リラックスできるというレベルまで習慣づけます。

スポンサーリンク

ここで重要な事は、
あまり不安を感じない弱い刺激から
少しずつ増やして、

刺激が不安を引き起こさなくなるまで
慣れるようにすることです。

そして徐々に刺激を強くしていき、
最後に最も不安を感じる場面を克服します。

このように段階的な方法が
とられるため、

系統的という名前が付いています。

ウォルピさんは、

檻に入れられ、電気ショックによって
恐怖を植え付けられた猫が、

不安を起こす環境を軽いものから
思いものへ増すと同時に

食べ物を与えられる事で、

その恐怖を徐々に鈍化するのが
可能であるのを検証しました。

系統的脱感作法の原理とトレーニング

系統的脱感作法の原理は、

刺激に対する習慣的反応を
除去したり、変えるためには、

対抗条件付けの状況において
刺激が与えられなくてはならない事です。

脱感作のプロセスを構成するのが

1.不安階層表を作る(点数化)

2.リラクゼーショントレーニング

3.リラックス状態での場面提示

この3つです。

ウォルピさんは、様々な実験を経て

最も効果的な心理セラピーの結果は
この技法の組み合わせによって
達成される事を示しました。

まずリラックストレーニングの技法を紹介し、

6回の面接訓練、
クライアントはさらに自宅で毎日15分ずつ二回
その練習をされる事を要求されます。

次に不安解消表が作られ、

不安が起こる問題について
不安が喚起される程度により
刺激がランク別にリストアップされます。

そして最も大きな不安が
喚起されるような刺激が
リストのトップにおかれます。

このリストの作成は
リラクゼーショントレーニングと
並行して行われますが、

クライアントはリラックス状態で
リストを作る訳ではありません。

不安な場面をイメージする

この心理セラピーの最終段階が
脱感作法過程自体で、

クライアントがリラックスした状態で

不安階層を1歩ずつ順を追って
提出されます。

ウィルピさんはここで
統制的な場面を用いて始めます。

これは患者が不安であるかどうか、
またどんな事を視覚化するのに
困難かを知るためです。

その後に、不安階層へと移ります。

ウォルピは1つのセッションで
クライアントの不安階層から

問題や題材をいくつか提示します。

それぞれの場面は10~30秒程度です。

段階的に不安を克服する系統的脱感作法のステップ

段階的に不安を克服するのは
例えば以下のような手順でです。

例えば、
犬にかまれたことがきっかけで
犬への恐怖感が高じて

子犬を見ただけでも不安を感じ、

遂には犬に出会うのを恐れて
外出すらできなくなったと言う人が
セラピーに訪れたとします。

セラピストとの話し合いの中で、

彼はまず「犬への恐怖感」を
10段階層のヒエラルキーに分類します。

例えば、

「犬の遠吠えが聞こえる」=1
「遠くから犬の影を見る」=2

というような軽いものを経て、

最後に、

「目の前でドーベルマンが吠えている」=10

といった具合です。

そしてこのリストの中でも
不安が軽い場面をイメージして、

その時に起こってくる不安を点数化します。

ここでセラピストが

「全身の力を抜いて、不安な気持ちがなくなるまで
ゆっくりと深呼吸を続けて下さい」

というように指示します。

つまりリラックスさせると言う事です。

そのイメージをしても
不安感が起こらなくなると、

一つ段階を上げ、
また同じ手順を繰り返して行きます。

最後には、実際に
その行動を取ってみる事もあります。

この場合で言えば、
セラピストとともにペットショップに行き、

犬を見ても不安が起こらなければ
セラピーは終了です。

系統的脱感作法の問題点や展開

このセラピーにおいて問題が生じるのは

クライアントが
リラックスするのが困難な場合、

不適切な不安階層を示す場合、

また視覚的なイメージが
適切に用いる事ができない場合ですが、

心理学者の検証では、

このセラピーは

「圧倒的に効果的」という
主張がなされています。

またこの基本的な技法の他に、
バリエーションもあり、

クライアント自身が

自宅で脱感作ができるように
テープレコーダーを用いたり、

同じ不安を持つグループで
脱感作をしたりもします。

リラクゼーションなしでも
イメージだけで段階的に刺激を受ければ
効果がある事も発見され、

さらに実際の場面での
脱感作のほうが想像よりも
大きな効果があると言う研究もあります。

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こちらの記事もおススメ

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。