日本語の言葉と感覚に見る肌と皮膚の違い、肌の手入れとは?


これまで見てきたように、
皮膚には見えない微生物が
ついていて人類と共生してきました。

この概念が昔は深く浸透していたのか。

ただの体の一部…として以上の
感覚を皮膚に感じてきたようです。

これまで、

主に皮膚という言葉を使って来ましたが、

日本語には、

同じ皮膚を表す
肌という言葉があります。

健康や美容を語る時、

「肌」という言葉が
多く使われています。

「肌のお手入れ」

と言いますが、

「皮膚のお手入れ」

とはあまり言いません。

なぜでしょうか?

「肌」と「皮膚」は違うもの?

肌という言葉には
大切なものを大切にする。

という意味が含まれている気がします。

「肌のハリ、ツヤ」

これも

「皮膚のハリ、ツヤ」

という人はあまりいません。

「お肌の曲がり角」

「皮膚の曲がり角」

などとは言いません。

「肌が合う」

とは言いますが、

「皮膚が合う」

とは言いません。

でも、

お肌が荒れている

という状態から一歩進めば、

皮膚病という病気になります。

これは

「肌病」とはいいません。

そもそも

肌にはお肌と丁寧語である「お」
をつける場合は多いですが、

お皮膚とはいいません。

そうです。

日本人は昔からお肌を
特別なものと認識してきたのです。

肌は表面の一部に過ぎない?

英語では、

肌も皮膚も皮も「Skin」の一言です。

講談社の『類語大辞典』では

肌は、

「人間の体の表面(の皮)」であり、

さらに、

「典型的には『顔、背中、胸、腹』
の部分であり、手のひら、足の裏、指などの
狭い部分は、普通『はだ』と言わない」

とのこと、

肌といえば、情緒的な
印象が強くなりますが、

皮膚は生理的であり、
医学用語の感じが強いです。

日本人には肌への独特の思い、
独特の感覚があるようですが、

だからこそ皮膚と微生物、
常在菌との付き合いが重要です。

日本語の感覚には、
こんな言い回しもあります。

「肌が合わない」
…気質、気立てが合わない。

「肌で感じる」
…理論でなく、直接の経験で感じる。

「肌を許す」
…気を許す。また、女が男に体を任せる。

「一肌脱ぐ」
…あることについて力を尽くす。

「職人肌、学者肌」
…職人に特注の気質。学者に特有の気質。

肌は特別な何か?

見えない何かを感じる能力を
日本人は持っていたのでしょう。

「広辞苑」によれば、

肌の意味は、

1.かわ。うわかわ。

2.人などの体の表面。
はだえ。皮膚。また、きめ。膚理。

3.土地などの表面。

4.気質。気性。

この四つが記されています。

つまり、

肌というのは、

人体の表面という域を超えて、

人の内面的なもの、
人間関係における距離感を表す
大切な言葉として使われています。

また、仕事や稽古場などで、

「頭で考えるな。
体で覚えろ。肌で感じろ」

という言い方もされ、

肌や体の感覚が重視される
考え方によく接します。

ところが、

西洋文明では、

頭、脳が体を支配し、
上に立つものとする考え方が
根強いようです。

体とはすなわち人間の中の
「自然」の部分なのです。

そして、自然を、人間に
対するものとして捉え、

「人間の頭脳の命令通りに」

支配ようとする考え方は根強いです。

これが化粧品や殺菌、抗菌など
微生物を敵対する考えに結びついている
ような気もします。

自然の一部ということを思い出そう

西洋思想では、

「自然」は科学で全て解明でき、

この世に科学的に説明できない
ものはないとします。

逆に日本の伝統的な
考え方は違うようです。

東洋思想では、人間も自然の一部
としてその大きな摂理に身を委ねる

という考えです。

人間の浅知恵では敵わないものだ。

という考え方が根底にあるのです。

だから、

体も頭も同列であり、

時として、体の感覚というものが
重視され、

頭でっかちは好まれないのです。

言葉が大切ならば、

それが表す実態も大切なものです。

日本人は古くから肌の手入れに
熱心だっだとも考えられます。

内面を反映し、表情を作り、
言葉に表せない心を伝える存在として、
思いを込めて手入れをしてきたのでしょう。

ただ、最近では西洋風の
考えが蔓延し、こうした
古くらの伝統を忘れているようです。

そして微生物との共生という大事な
部分も忘れてしまっているようです。

健康のため美容のため、

私たちは日本語の言葉と感覚や
手入れするという大切な感覚を
もう一度思い起こす必要がある気がします。

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