腸内常在菌の作用は有益菌 (善玉)と有害菌(悪玉)に分かれるが…


例えば一人の人物を指し、

「この良い人ですか?悪い人ですか?」

…と聞かれればどう答えるでしょう。

一言で一人の人物を定義する
というのは非常に困難なことです。

人は様々な側面があり、

光を当てた部分によって
見え方も変わってくるからです。

一言で、

腸内常在菌といっても、

その定義は難しいものです。

前にも言ったように、

成人には一般的に、
60〜100種類、100兆個の
微生物が住んでいると言われます。

そしてまだまだ人類は

その全ての具体的な
働きを解明できていません。

またどんな種類の菌がどれくらいの
数で存在しているかは、

人によって違うし、
同じ人でも年齢によって、

またその時々によって変わってきます。

腸内常在菌の働きも個人差がある

こうした種類や量の
バランスが変動する理由は、

やはり免疫系のシステム
にあると言われています。

免疫というのは、

先天的にも後天的にも
人それぞれ大きく違います。

アレルギー体質の人、
風邪をひきやすい人、
お腹を壊しやすい人、

など色々です。

遺伝的に強みも弱みもあり、

食べるもの住む場所や、
働く環境、ストレスレベルでも、

腸内環境は変わってきます。

そしてこの免疫のあり方と
腸内常在菌に在り方には、

やはり深い関係があると言われています。

だから同じ大腸菌群の
一種であっても、

ある人には常在していても、

その菌が他の人の腸に侵入すれば
免疫系の腸管がその菌を
敵とみなして攻撃することも、

ありうるわけです。

基本的には、

免疫系というのは、

危険な病原細菌を排除します。

例えば、

チフス菌、ペスト菌、O157などが
腸内に侵入すれば、

免疫系は反応し、その菌自体を
攻撃し破壊しようとします。

悪者もスルーできる関所のよう

ところが腸内常在菌のメンバーには、

病原性を持っていて
面英系を攻撃してもよさそうな菌や

体にとって有害な物質を
産出する菌もいるのに、

これらの菌に対しては
免疫系は反応を示しません。

非常に不思議なことです。

免疫系の攻撃を防止する
働きかけをする物質を含む菌がいる
とも言われています。

特別通行許可書を持ち、
免疫系をパスして、

腸内に住んでいるようなものです。

毒や害であっても、
ほどほどであれば、

「身の内」に入れておこう
ということなのでしょうか。

そこが菌の世界の不思議なことでもあり
難しいところなのですが、

人間の世界でも、

犯罪や暴力はもちろん「悪」であり、
排除するべきものですが、

完全に犯罪や暴力がゼロになれば、
人類は危機感がなくなったり、

秩序が乱れるかもしれません。

そういう意味で必要悪というのは
やはり必要なものと考えられるように、

菌の中にも一定に悪は
必要なのでしょう。

全ては相対的、絶対ではない…

そうです。

全ては光りと影、善と悪、正義と悪、

など一概に分けることができない、

万物に適応できる法則です。

善人と呼ばれる人の心にも
悪の部分は存在するでしょうし、

悪人と呼ばれる人が
地球にとって社会にとって
有益な働きをすることがあります。

これは目に見えない微生物の
世界にも言えるのですが、

二元論で単純に考えたほうが、
圧倒的に分かりやすいです。

そして一般的には、

腸内常在菌の作用として、

悪玉菌、善玉菌として
分けて説明されることが多いですが、

これはあくまで人間から見た
偏った視点でしかありません。

どの菌、微生物たちも、

与えられた環境下で生き延び、
増殖しているに過ぎないのです。

結果として、毒素が出て、

人間にとって不幸な結果が
もたらされることもありますが、

元々の性質が善であったり悪である、
というわけではないのです。

「悪玉」と称される有害菌でも、

免疫系が攻撃を仕掛けずに
腸内に住まわせているからには、

全面的に「悪玉」とは言い切れない
働きをしているのです。

なので正確を期すならば

「善玉菌」と「悪玉菌」という言葉より、

「有益菌」と「有害菌」という
言葉を使ったほうがいいのでしょう。

もちろんこの言葉も、

便宜的なものではありますが、

人間にとって有益な働きや作用を
してくれるものと、

害のある作用をするものに一応分けて
考えたほうが話が分かりやすいからです。

人体に有益な乳酸を産出してくれる菌

「有益菌」の代表は、

ビフィズス菌、ラクトバチルス菌など

この二つはともに乳酸菌群の
一員として人体に作用し活躍します。

みなさん耳に馴染みのある、

健康に良い作用をするとイメージ
できる微生物たちです。

有益菌の多くが乳酸菌ですが、

一般的に酸、特に乳酸を出すものを
総称して乳酸菌と呼んでいます。

炭水化物を消費して乳酸を作り、

腸内の環境を酸性に保ちます。

結果として多くの病原菌が
腸内に侵入してきても、

それを排除する役に立っているのです。

腸内の有害物質の掃除をし、

ビタミンB群などを作り人間にとって
有益な働きをしてくれる菌たちなのです。

大便が臭くなるのはなぜ?

一方で「有害菌」の多くは、

タンパク質を分解し、
その時に腐敗物質を出します。

その腐敗物質が発ガン性であったり、

結果として血液中に毒素を
送ったりするのですから、

それが体の不調につながるのです。

有害菌(悪玉菌)その代表が
ウェルシュ菌です。

ウェルシュ菌は、

アンモニア、インドールなどの
腐敗物質を出します。

おならやウンチが臭くなるのは
この菌のせいだと言われています。

赤ちゃんはこの菌が少なく、
ビフィズス菌が多いため、

ウンチもそれほど臭くありません。

しかし加齢とともに
ウェルシュ菌が増え、

ウンチも臭みを増していくのです。

…さて、

様々な微生物が腸で織りなす世界、

一応このように二元論的に
分けて見たわけですが、

悪と善に分けれるものではない、

ということも分かってもらえた
と思います。

この複雑な仕組みにさらに加わる
のがいわゆる日和見菌と呼ばれる、

どっちつかずの菌がいることです。

次回はこの菌について考えていきましょう。

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