渋柿を発酵、熟成する柿渋の作り方、染料、健康へのメリット


今回のテーマは、

渋柿を発酵、熟成する柿渋の
作り方、染料、健康へのメリット

について紹介します。

古来から近代まで、

日本では生活になくてはならない
必需品として、

柿渋は使われていましたが、

今の若者にはなかなか
通じないかもしれません。

美味しくて甘い「柿」が
スーパーに並ぶことはあっても、

渋柿自体の存在も知らず、

それがどのように用いられるか、

と想像もつかない人も
多いかもしれません。

それでも柿渋は現在でも
一定した需要があり、

様々なメリットのあるものとして
あらゆる分野で使われており、

製造が続けられています。

渋柿を発酵、熟成する柿渋の作り方

その柿渋の作り方は
以下のように行われます。

柿の実が最も渋さを増すのが、
8月中旬ごろで、

この時期を見計らい原料である
渋柿の実が集められます。

収穫した丸いままの原料の
柿を玉渋(たましぶ)と呼びますが、

これを採取した後、収穫した
その日のうちに仕込み始めます。

そのまま放置しておくと質の
良くない渋ができてしまうそうで、

この辺りのスピードは
伝承された知恵と言えるでしょう。

その後の作り方の手順は、

まず玉渋を砕きます。

臼と渋柿が物語に出てきた
昔話である「猿カニ合戦」が如く

もちろん以前は臼と杵で
搗いていたわけですが、

今はもちろん破砕機が使われます。

この砕かれたものを
大きな木桶に入れ、

上から少量の水を加え、
よく撹拌して発酵を待ちます。

微生物により発酵、熟成する柿渋

こうした作り方によって
渋柿を仕込んだ後は、

4、5日経過すれば、

盛んに炭酸ガスが湧き上げ、
特有の異臭が放ち始めます。

微生物が本格的に活動し
発酵が始まります。

それをそのまま放置すれば、

腐敗菌が増えて腐ってしまうので、

「踏込(ふんごみ)」と
呼ばれる作業を行います。

踏込というのは仕込んである
大桶の中に人が入り、

一時間ほど足で踏み続ける作業で、

世界中のあらゆる発酵食品
の作られる過程でも

見られる光景です。

これを1日2、3回行う、
大変な作業ですが、

こうして10日間ほど
発酵、熟成をさせてから、

その発酵した柿渋醪を
布袋に入れて圧縮し、

渋絞りをします。

こうして最初に出てきた
渋柿を「一番渋」と言い、

袋に残った粕は再び桶に戻して
水を加え、再び一週間ほど再発酵させ、

これを絞ったものが
「二番渋」と呼びます。

様々な用途で使われる柿渋のメリット

こうしてできた
赤褐色の液体が、

柿渋となるわけですが、

出来上がった柿渋は、大桶や甕に
蓄えられるのですが、

その貯蔵期間中も微生物
による発酵は続くので、

3、6ヶ月はそのまま放置し、

発酵が収まり安定し、
熟成が十分になった頃合いで、

4斗缶などに入れ出荷されます。

発酵の目的は、

渋柿のみからタンニン成分である
シブオールを均一に分散させ
安定させ、

塗料や染料にした時、

きめ細やかな収斂が起こり、
平滑な塗面ができるようにするためです。

古い家具に用いられる色や
繊維に使われる色合いは、

まさに「渋い」色であり、

現在もそのメリットを見直す
ファンが増えているようです。

ただ、柿渋のデメリットとして
強烈な匂いがあがることもあり、

この柿渋の発行を司る
微生物というのは主として、

バチルス・スブチルス
(Bacillus subtilus)

クロストリジュウム属
(Clostridium)

といった細菌で、発酵中に
酢酸、プロピオン酸などを
生成してくるので、

不快な酸臭を漂わせます。

20世紀になると新しい作り方が
生み出され、柿渋の悪臭が完全に
取り除かれた無臭柿渋も生まれていますが、

やはり発酵と匂いは
密接な関係があるわけで、

本物の匂いに慣れる方が
メリットは大きいのではないでしょうか。

柿渋の染料、健康へのメリット

柿渋の主な出荷先は、

傘製造業者、染色業者、
漁網製造業者、家具製造業者、
漆器業者、塗装業者、民芸品製造者

などがありますが、

柿渋大きなメリットが、

かつてミイラにも用いられた
と言われるほどの、

防腐能力でしょう。

紙や布、糸に強度を与え、
素材を丈夫にしてくれます。

最近では家具や家屋の塗装染料
としても見直されており、

シックハウス症候群の
対策としても注目を浴びています。

また柿渋は昔から、

民間伝承療法の治療薬として
健康へのメリットも知られていました。

その効能は、

内服から外科用まで幅広く、

特に医師のいない山村や過疎地
などでは、

家に備える常備薬として一年を
通じて保管されていたと言います。

健康に対する最近の研究では、

服用すれば、

高血圧、中風、脳卒中など、

また外科用として塗ることで、
やけどや虫さされに重宝され、

最近ではシャンプーや石鹸に
柿渋を用いる製品もあります。

現代では柿渋があまり
使われなくなり、

この発酵物の研究もあまり
進んでいないようですが、

この不思議な発酵物の持つ
健康へのメリットをさらに深く
追求すれば、

さらに多くの効能が見出される
かもしれません。

今でも柿渋製造業者が
わずかに残り昔ながらの発酵を
守り続けていますが、

渋柿を発酵、熟成する柿渋の作り方や、
染料、健康へのメリットを理解し、

この文化が廃れないよう
今一度日本人は柿渋に注目を
していきたいですね。

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