生肉でビタミン補給するエスキモー、北極圏の生活、食文化と健康


今回のテーマは、

生肉でビタミン補給するエスキモー、
北極圏の生活、食文化と健康

について紹介します。

前回は世界でも類を見ない
珍しい発酵食品として、

キビヤックを紹介しました。

アザラシの腹の中に海燕を
入れて発酵するというものですが、

キビヤックの食べ方も
非常に変わったもので、

まずどろどろと溶けた状態の
アザラシの厚い皮に覆われた

海燕、アパリアスを取り出し、

尾羽根の所を引っ張ると
尾羽根はスポッと抜けます。

それからその抜けた所から
すぐ近くにある肛門に口をつけ、

チューっと吸い出して

その発酵した体液を吸い出して
味わうものなのです。

世界には色々な食文化がありますが、

肛門から吸い出す、、

というのはなかなかないでしょう。

ただ、その発酵した体液は、

燕の肉やアザラシの脂肪
が溶けて発酵しているので、

複雑かつ濃厚な味が混在していて、

グルメを極めたい人であれば、
その美味に驚くでしょう。

発酵食品のいうのはその
イメージや匂いでNGという人も多いですが、

これこそ発酵食品の醍醐味なのです。

残念ながら日本では
食べられないでしょうが、

発酵好きなら現地に赴き
食べて見る価値はあるでしょう。

エスキモー、北極圏の生活、食文化

世界初の五大陸最高峰登頂者
として有名な冒険家の

植村直己さんも

このエスキモー、北極圏の
発酵食品であるキビヤックを
好んでいたようです。

くさやとチーズと銀杏の匂いを
合わせたような、

強烈な臭みがあるものの、
一度ハマると病みつきになるそうです。

世界中にはこうした物好きもいて、

キビヤックを食生活、食文化の
知恵としてではなく、

趣味のように楽しむわけですが、

イヌイットの人たちは、
こうした食べ方ではなく、

むしろ健康保持のために
使っているのです。

生肉を食べることで有名な
エスキモー、北極圏の食文化ですが、

セイウチやアザラシ、イッカク、
クジラなどの肉を生で食べるとき、

彼らはキビヤックを肉につけませんが、

焼いたり煮たりするときは、
キビヤックをつけて食べます。

つまり調味料のような
使い方をするのです。

生肉でビタミン補給するエスキモー

我々日本人は生魚をよく食べる
食文化を持つ人種ですが、

寿司を食べるときは、

お酢を使い、わさびを使い、
生姜を食べるわけですが、

こうした風習というのも、

歴史上健康を守るために
培ってきた知恵の一つです。

だからエスキモーが

肉に火を通して食べるときに
キビヤックをつけるのも、

おそらく驚くような
知恵が隠されているのでしょう。

北極圏の生活を考えると、

気候風土が厳しいために
新鮮な野菜や果物ができません。

つまり彼らは植物から
ビタミンを十分に補給できない
生活環境にいるわけです。

ご存知のように、

ビタミンというのは
健康に欠かせない栄養素です。

ビタミン欠乏症として、

中世ヨーロッパで航海時代には
壊血病で多くの人が亡くなったり、

日光が少ない地域はくる病、

日本でも明治時代には
脚気が問題になりましたが、

ビタミン不足は健康に大きな
被害をもたらすわけです。

野菜や果物が取れない
北極圏の生活では、

生肉を食べることでビタミン
補給をしてきたのです。

生肉と発酵食品でビタミン摂取

だからこそ彼らは長い歴史上、

カリブー、シロクマ、クジラ、
アザラシ、鮭や鱒など、

生肉を食べる食文化で
健康を守ってきたのです。

ところが、

アメリカ人やカナダ人たちが
毛皮を求めて

イヌイットと交流してから、

肉を焼いたり煮たりして
食べることが受け入れられました。

こうなるとどうしても
ビタミン類の摂取量が減ります。

だからこそ、肉を熱したとき、

彼らは発酵食品のキビヤックを
つけて食べるようになったのでしょう。

そうすることにより、

加熱によって失われた
ビタミン群がキビヤックから
補給できるということです。

発酵食品はその微生物たちが
生成した各種ビタミンが
豊富に含まれるわけですから、

理に適った食べ方です。

地球と微生物と人類の共存

まさしく人体の健康を
歴史上守ってきたのが

発酵食品であり、

北極圏という厳しい地でも、

新鮮な野菜や果物から
ビタミンが補給できない土地でも、

生肉からだけでなく、

漬け込んだ発酵アザラシと
発酵海鳥からビタミンを摂取する

という知恵には驚かされます。

そしてエスキモーに比べると
はるかに豊かな土地にくらす
私たちの生活、食文化でも、

やはり発酵食品の大切さを
見直すべきではないでしょうか。

キビヤックという存在は、

北極圏では微生物の発酵がなされない、

という説を否定したばかりか、

地球の果てであっても、

発酵微生物は人間の周辺に生息し、
共存していることを示しています。

おそらくまだ解明されていない
発酵の知恵というのは

地球上にまだまだ存在し、

人類の生活を豊かにする
可能性を秘めているのでしょう。

人類と地球と微生物の発展のために、
しっかり共存していくことが
大切になってくるのでしょう。

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