野菜を発酵、熟成させる日本人の食文化と漬物の歴史と伝統

野菜を発酵、熟成させる日本人の食文化と漬物の歴史と伝統
今回のテーマは、

野菜を発酵、熟成させる日本人
の食文化と漬物の歴史と伝統

について紹介します。

日本人の食卓に欠かせない
発酵食品と言えば、

漬物を忘れては行けません。

最近の若者は漬物も
発酵風味だけ添加した、

スーパーで買える漬物くらいしか
知らない人もいるかもしれませんが、

以前は糠床で自分たちで
漬けるのが当たり前で、

家庭ごとに風味のある
漬物が楽しめたわけです。

さてそんな野菜を発酵、熟成させる
日本人の食文化に欠かせない

漬物の歴史と伝統を
振り返ってみていきましょう。

日本人と漬物の歴史と伝統

日本での漬物の初見は、

太平年間(710〜749)の
木簡に残されている

ウリの塩漬けの記録が
始まりと言われています。

その後、平安時代『延喜式』には

酢漬け、醤漬け、粕漬け、

といった今でも馴染みの手法から、

葅(ニラギ=青菜、セリ、たけのこ
などを楡の皮と塩で漬け込んだもの)

須須保利(ススホリ=青菜やカブなどを
塩、大豆、米で漬け込んだもの)

荏裹(エヅツミ=カブや生姜などを
荏胡麻の葉で包み、これを醤で
漬け込んだもの)

といった当時の独自の手法まで

当時の野菜を使った漬物がいかに
多彩で本格的なものであったか、

また日本の漬物という食文化が
いかに古い歴史と伝統を持つ
ものであったかがよくわかります。

漬物技術の発見と発展

日本の一汁一菜など
粗食文化に欠かせない、

味にバリエーションを
与えてくれる漬物は、

上流階級から庶民まで、

すでに平安時代までには大体の
形が完成していたのでしょう。

その後、漬物は日本人の
食生活と並走しながら、

少しずつ改良、変化を加え
発展してきたのです。

漬物について記述された
古文書も他の発酵食品に比べ
たくさんあります。

『萬聞書秘伝』(1651)
『雍州府志』(1684)
『本朝食鑑』(1697)
『大根料理秘伝抄』(1785)
『四季漬物塩嘉言』(1836)

など多くを見ることができます。

もちろん今でも書店には
漬物に関する本がたくさんあります。

庶民にも広がる日本人の食文化と伝統

こうした野菜を発酵、熟成させる
漬物技術は日本人に広がるわけですが、

最近都会ではめっきり
少なくなってしまいましたが、

少し前では街に漬物屋が
あるのは当然でした、

この歴史を見てもやはり古く、

『延喜式』によれば
平安京では都の西の市には
魚の塩干し店があり、

そこには蒸し鯛、蒸し鮑、
干鳥、楚割(すわやり=魚肉を
細かく切って干したもの)

などとともに「嘗めもの」
というものが売られたいた
という記述があります。

これは、味噌に肉、魚、野菜、
香辛料などを漬け込み、

これを熟成させた漬物の一種で、

鰹味噌、鳥味噌、時雨味噌、
生姜味噌などがあったのですが、

平安の都にはすでにこうした
漬物を売る店があった、

というのは面白いことです。

室町末期から江戸初期の
京都や大阪には、

「香りの物屋」と呼ばれる
漬物専門店があり、

この頃から全国に漬物屋が
店を構えるようになったのです。

冷蔵庫のない時代に
非常に大切な知恵として、

漬物という食文化は日本人に
浸透していったのです。

野菜を発酵、熟成させる漬物文化

漬物はその後、

江戸期に入ると、一段と
数と種類が増え、

土地土地の風土にあった
野菜を使う独自の漬物も生まれ、

地方の名物や風味物となり、
全国にたる所にまで浸透し、

それが明治大正といった
近世になると、

その土地の漬物が
大量流通嗜好品にまで発展し、

家庭で作る手作りの漬物と
同様に国民に広く愛される
副食物となります。

昭和に入ってから
漬物の原理や微生物の役割、
食べることで得られる効果効能

といった研究が急激に発展し、

より国民食の濃い嗜好物となります。

こうして野菜を発酵、熟成させる
日本人の食文化に身近にある

漬物の歴史と伝統を
ざっと見てきたわけですが、

しかし平成の時代に入り

その重要性が軽視されがちなのが、
気になる所です。

その重要性を見つめ直すためにも
次回から漬物という発酵食品の持つ、

微生物が織りなす人体への
メリットの数々を見ていく
ことにしましょう。

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こちらの記事もおススメ

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。