微生物で発酵、熟成させる発酵茶、珍しい価値のある世界のお茶

微生物で発酵、熟成させる発酵茶、珍しい価値のある世界のお茶
今回のテーマは、

微生物で発酵、熟成させる発酵茶、
珍しい価値のある世界のお茶

について紹介します。

我々日本人にとっても
大変身近なお茶ですが、

世界的にお茶文化は広がっており、

それぞれ独自の文化が形成されています。

前回は、

不発酵茶、半発酵茶、発酵茶、

と言う違いについて見てきました。

さて今回はいよいよ
微生物発酵茶について

詳しく見て行きましょう。

カビ、細菌、微生物によって
発酵させたお茶ですが、

こうした種類の発酵茶というのは、

そもそも大変珍しい物で、
稀に地球上に点在していた物です。

ところが最近になって、

その数はさらに少なくなり、
貴重で価値のあるものになっています。

代表的な物は中国に伝わる

黒茶(ヘイチャ)で

緑茶に麹菌(Aspergillus)
クモノスカビ(Rhizopus)

と言った糸状菌を繁殖させた物で、

黒褐色や茶褐色をしています。

珍しい価値のある世界のお茶

やはり世界的に見て
中国のお茶の文化は種々多様です。

雲南省特産である
普洱茶(プーアルチャ)や
広西チュワン族の六堡茶(リウバオチャ)

なども発酵茶の代表です。

微生物による体への作用は
やはり特筆すべき物で、

発酵の際に糸状菌の生産した酵素が、

体内の脂肪分を分解し
老廃物を一掃するという、

いわゆる「痩せるお茶」として、

日本でも一時話題になった事
があるお茶です。

痩せるお茶というのは流行り廃りがあり、
効果に疑問を持つ人もいるでしょう。

細菌によるダイエット効果…

というにも直接的に効能を
述べるわけには行かないと思いますが、

もちろん間接的に影響するでしょう。

健康にとって有益な物ですが、

これらのお茶は緑茶を蒸してから
圧搾して煉瓦のように硬くし、

それを貯蔵している間に
糸状菌が繁殖して

発酵茶となるのです。

発酵茶の効果やメリット

こうした発酵茶は、

その過程で発酵が終わり、

再び熟成して行くに従い
価値が高まると言いますから、

まるでワインのような物です。

青海省当たりに行けば、

10年物の珍しい価値のある
お茶もあるそうです。

カチンコチンで真っ黒くなった
お茶を飲ませてくれたりして、

その歴史を感じさせる味わいです。

とにかくこうしたお茶は、

世界にも伝播しているわけですが、

中国の雲南省から四川省に入り、

さらに北に上り、陝西省から
内モンゴル、モンゴル、

さらにチベット、ウイグルに至る
広い地域で飲まれています。

つまり遊牧民にも愛飲されている
のが発酵茶で、

微生物で発酵、熟成させる発酵茶は
長期の保存が利くお茶という事で、

チベットや遊牧民の間では、

こうしたお茶にバターや塩を入れて
飲むのが慣習だと言います。

微生物で発酵、熟成させる発酵茶

このように世界の発酵茶
を見てきたわけですが、

さて最近の日本の若者は、

お茶=ペットボトルで飲むもの

というのが常識化している
のかもしれません。

茶葉からお茶を入れる事すら
なくなってきている昨今ですが、

こうした本格的な微生物発酵茶は、
日本にあるのでしょうか。

実は高知県に「碁石茶」
というものがあり、

これが現存する日本唯一の
微生物で発酵、熟成させる発酵茶
だと言われています。

高知県長岡郡大豊町の特産で、

発酵法を取り入れた
古風な製造技術を持っています。

この面白い名前を終えた
お茶の葉をうすに入れてひき、

それを手で団子状に固めるとき

その形が碁石に似てくる事から
来たと言われています。

碁石茶を作ってきた人によると
その作り方は、

その発酵工程を終えた
茶葉をメフリと呼ぶ竹製の籠に入れて
ゆすって寝かせているうちに

角が取れて碁石状になるという事です。

日本の珍しいお茶、碁石茶の作り方

微生物で発酵、熟成させる
日本の発酵茶である、

碁石茶の製法ですが、

自生の山茶の葉を茶籠(蒸篭)に入れ、
二時間ほど蒸します。

蒸し上がったら小枝を取り除き、

葉だけを蓆(むしろ)に広げて
40~60cmの厚みに積み、

さらにその上にも蓆をかぶせて
5~7日間「前発酵」させると、
カビが一面に出ます。

次にお茶を漬け込む桶にこのお茶を移し、

蒸し釜に貯まった茶汁を上から
適当に掛けながら、

茶の葉を足で踏み込み、

さらに重石を乗せて約10日間
寝かせながら「本発酵」を行います。

本発酵が終了した茶を
茶切り包丁でさらに小さく刻み、

再び漬け桶に入れて足で踏み固め、

二、三日間「後発酵」させたものを
メフリに入れて時々ゆすって寝かせた後、

蓆に広げて直射日光で乾かし、
製品とします。

消え行くある価値のある発酵茶

こうした発酵茶の需要は
たくさんあり、

発酵茶を作る人も日本中に
いたと言われていますが、

どんどん消えつつあると言います。

昔は、碁石茶であれば、

地元より隣の香川県
塩飽諸島(瀬戸内海)の

茶粥用のお茶として有名になった
と言います。

これは島の水は塩分を多く
含まれているため、

この薄い塩辛さと
碁石茶の酸味と渋味、

そして発酵茶特有の匂いが
島民の食文化にピッタリ合った
からだといわれています。

このお茶の発酵は、

前発酵がカビ類、

本発酵が乳酸菌や酪酸菌
のような細菌、

後発酵がそれらの微生物が
分泌した酵素の熟成作用によって
進められて行く、

トータルな発酵技術が
培われた技術なのです。

だからこそ珍しいし、
価値のあるお茶となるのですが、

いずれにせよお茶を作るのに
三段階に分けて発酵を行わせる製法は

非常に興味深い事です。

こうした微生物発酵茶は、

日本であれば高知県の他にも、
富山県や岐阜県などにもあったのですが、

今では醸されなくなり、
非常に残念です。

世界的に見ても発酵茶は
ドンドン減ってきていますが、

「朝茶はその日の難逃れ」

と昔から言われるように

そもそもお茶自体が体に優しく
健康に有益な飲み物ですが、

それに発酵技術が加わり
微生物のパワーが加わるのですから、

もう一度見つめなおしたい物と言えます。

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