発酵させた魚の微生物、細菌群による栄養価作用と健康への効果

発酵させた魚の微生物、細菌群による栄養価作用と健康への効果
今回のテーマは、

発酵させた魚の微生物、細菌群
による栄養価成分と健康への効果

について紹介します。

さて、前回紹介したように、

最初は魚介類の保存食品
として入ってきた熟鮓ですが、

長い歴史と言う時間の中で
日本人の知恵によって、

重石で圧するという日本古来の
漬け物スタイルとなり発展してきたのです。

熟鮓は魚の長期保存のみならず、

発酵中の微生物や細菌群が
さまざまなビタミン群を多量に生成するため、

ビタミンの含有量が豊富であり、

ビタミンの補給と言う点でも
優れた食品でした。

その上、熟鮓に含まれている

良質の乳酸菌や酪酸菌は
生きた活性菌であるため、

これを食べると整腸作用に効果があり、

腐敗菌の繁殖を阻止する
細菌群が多量に腸内に住みつき

腸を整えてくれるのです。

それでなくとも質素で素朴な
食生活を送ってきた日本人にとって、

熟鮓は発酵させた魚として、
実に貴重な発酵食品であり、

健康へのメリットや知恵の多い
食べ物なのです。

発酵させた魚のバラエティ

前回日本海の食文化が
熟鮓の中心と紹介しましたが、

太平洋岸の熟鮓でも有名なものがあります。

和歌山県新宮市や有田郡、
海草郡一帯です。

ここの熟鮓は、日本海文化系の
熟鮓とは異なり、

黒潮海流に乗ってもたらされた
ものとされ

こちらもやはり大変に
古い歴史を持った食文化です。

サンマ、鯖、鮎、鮠(はや)

など背開きにして塩をたっぷり加え、

短いもので一ヶ月、長いものでは
一年も漬け込みます。

これを水に一日さらして
塩抜きした後、

柔らかめに炊いたご飯を棒状に
丸めて魚の腹に抱かせ、

これを隙間なく鮓樽につめて
夏場でおよそ二週間、

冬なら一ヶ月ほど重石で
圧して発酵させます。

出来上がった熟鮓は独特の癖のある
臭みを持つので「くされずし」
とも呼ばれるわけですが、

推すを一切使わない自然発酵で
酸味を醸した昔ながらの保存食で、

微生物、細菌群による栄養価作用
と健康への効果も高まります。

30年も寝かした発酵させた魚とは?

新宮市に東宝茶屋という
料亭があるのですが、

ここに極めて特殊な発酵食品としての
珍味があります。

なんとサンマの熟鮓を30年も
寝かせた「本熟(ほんなれ)」
と呼ばれるものです。

粥状の溶けたサンマやご飯が
あたかもヨーグルトのような
様相と風味を呈しています。

始めて口にしたとき、

発酵という技術の奥深さ、

微生物、細菌群による働きの
神秘性に驚愕しました。

30年も寝かせる事が可能な
そのパワーに感動しました。

料亭のご主人さんは、
もともと紀州熟鮓の名人だったらしく、

サンマ熟鮓を仕込みそれを
熟鮓蔵の中の大きな壷に
寝かしているのですが、

そこには漬け込んだその年の
壷から30年間に渡る30の壷が
歴然と並んでおり、

それは感動的です。

発酵させた魚の栄養価作用と健康効果

他にも富山県や滋賀県、
和歌山県の他に、

奈良県吉野地方の鮎の熟鮓や
石川県金沢市の蕪鮓、大根鮓も
良く知られています。

蕪鮓は一見、蕪の漬け物

のように見えるわけですが、

れっきとした熟鮓のひとつで、

寒ブリを蕪に挟んで
麹と共に仕込んだものです。

これを厳しい寒さの中で40日間
ほどじっくりと発酵、熟成させると、

なぜか鯖や鮒などの熟鮓特有の
匂いがなくなり、

麹と蕪の甘味と鰤の塩味とうま味、

そして発酵での酸味とが上品に調和し、
発酵の素晴らしさが全体ににじむ逸品となります。

これも発酵による微生物、細菌群
の為せる技でしょうが、

こうした食文化はただ保存性
やうま味だけを追求したのでなく、

微生物による栄養価作用と
健康への効果、滋養効果として
重宝されてきたのです。

次回はこうした効果の具体的な
メカニズムについて紹介したい
と思います。

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