日本海の食文化、発酵させた寿司、熟鮓の魚の保存性とメリット

日本海の食文化、発酵させた寿司、熟鮓の魚の保存性とメリット
今回のテーマは、

日本海の食文化、発酵させた寿司、
熟鮓の魚の保存性とメリット

について紹介します。

日本ではもちろん各地で
さまざまな食文化がありますが、

こと発酵食品に関しては、

やはり気候や土壌など環境に
よって知恵が変わってきます。

古代文化は大陸から海を渡って
日本に入ってきたもの

と言われていますが、

なので特に日本海側の食文化と
熟鮓(なれずし)は、

切っても切れ離せないほど古くて
深い関係にあります。

だから魚介類を発酵させて
作る寿司と言えば、

日本海沿岸はその伝統に満ちており、
圧倒的に種類も多いのです。

日本海の食文化、熟鮓のメリット

例えば、

日本海沿岸には、鯖、鱒、鮭
などを原料とした熟鮓が至る
ところにあって、

昔から庶民と共に育ってきました。

前回紹介した近江の鮒鮓も、

元々は日本海から鯖の道を
通ってやってきた、

日本海の食文化のひとつと言えます。

もちろん、海の幸として
新鮮な魚を使った寿司もそうですが、

発酵させた寿司、熟鮓によって

食文化は広がり、さらに魚の保存性と
栄養価効果が高まったのです。

発酵による微生物のメリットが
享受できるというわけです。

発酵させた寿司なら仏教でもOK?

富山県砺波平野の南端にある
浄土真宗の城端別院善徳寺の
虫干法会と、

井波別院瑞泉寺の太子伝会では、

今でも相年7月22日から28日まで

参詣者に鯖の熟鮓を斎(とき)
として供する習慣があります。

「不許葷酒入山門」

と戒めて、

臭い匂いのするものは修行の妨げになから
寺の中に持ち込んではならない、

と、生臭いものを嫌う僧門ですら、

古い時代から、鯖の熟鮓を
食べていたのですから、

もちろん賛否両論あるかもしれませんが、

当時から庶民の間での
発酵させた寿司、熟鮓という
食文化が広がっていたのは、

推して知るべしと言えるでしょう。

熟鮓の魚の保存性とメリット

ちなみに、井波別院の漬け込み法は、

鯖千五百匹に塩40kg、
飯米90kg、米麹30kg、

山椒の葉及び唐辛子、
日本酒少々を原料として

四斗樽の鮓桶を13樽用いて
仕込みを行い、

約60kgの重石をして
60日間発酵を行うそうです。

仕込みの日はだいたい5月25日前後で

土蔵の中でじっくりと発酵を
行うわけですが、

つけあがった鯖鮓は
誠に見事なもので

その味は濃厚、匂いは生臭さの全くない、
熟れた発酵臭がします。

日本海の食文化、発酵食品文化

日本海側沿岸には他にも、

発酵させた寿司、や魚介類の
発酵嗜好食文化がたくさん見られます。

秋田県の鰰鮓(はたはたずし)
石川県の蕪鮓(かぶらずし)

と言った寿司の他に魚塩汁(しょっつる)
やいしる、

石川県や富山県のイカの塩辛の発酵品、

イワシや鯖の糠漬け、へしこなど

魚介類の発酵嗜好食品が実に豊富なのです。

ともあれ日本に伝来した
最初の寿司は全て熟鮓(むれずし)
だったわけで、

やはりその目的は魚の保存を
第一目的としたものばかりだった
のでしょう。

冷蔵庫のない時代に大切な
知恵だったわけですが、

その食文化は現在まで伝わり、

今でも熟鮓は漬け込んだ魚が主体で
飯は副体の漬け物という位置づけです。

こうして発酵させた寿司から始まり
魚の保存性だけでなくさまざまな
メリットを日本人に与えてくれたわけです。

我々はこうした文化をもう一度
見つめなおす必要がありそうです。

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