日本の発酵食品、鰹節に見る栄養素、保存性やうま味などメリット

日本の発酵食品、鰹節に見る栄養素、保存性やうま味などメリット
今回のテーマは、

日本の発酵食品、鰹節に見る栄養素、
保存性やうま味などメリット

について紹介します。

発酵技術というのは本当に不思議です。

前回は鰹節の作り方を
簡単に紹介したわけですが、

カビが鰹節の表面でびっしりと繁殖し、

そこから水分を吸い取って生きて
行きます。

節の表面の水分が吸い取られれば、
そこは乾燥状態になるので、

今度はさらに奥の水分がその
乾燥した表面に移る事になり、

その水分がまたカビに吸い取られるのです。

こうして、どんどん節の内部の水分は
カビによって表面まで吸い上げられ、

結局、最終的には鰹節の内部の
水はほとんどなくなって、

全体が乾燥した状態になるのです。

元々の鰹節からまったく
姿形、栄養素まで違う食べ物に変化し、

そしてそれが人間にとって
メリットのある食べ物になるわけです。

まさに自然の循環が生んだ、
発酵食品の知恵です。

日本の発酵食品、鰹節のメリット

だから、三番カビ、四番カビまで
施した鰹節を両手に持ち、

お互いを叩き合わせれば、

「火の用心♪」と、
拍子木を打ったような

「カーン」「カーン」

という乾いた高い快音が発生するのですが、

カビを付けない裸節や生節を叩いたとしても、
決してあのような快音は出ないのです。

そして、それほどまでに
完全に水分をとってしまうと、

他の微生物たちは全く生育できなくなります。

生のイカはすぐに腐りますが、
乾燥したスルメが腐らないのと同じ

メカニズムで鰹節はいつまでも
保存する事ができる事になります。

冷蔵庫のなかった大昔からの
偉大なる発酵微生物の知恵なのです。

さて、こうした作り方を経て

生育に大量の水分を必要とする
麹カビを実に巧みに応用して
作り上げた鰹節ですが、

そのメリットは、

やはり栄養素、保存性やうま味など
にあるのではないでしょうか。

うま味成分を極めて多く含む
鰹節を削って出汁をとると、

どんな日本料理をもたちどころに
美味にしてくれます。

上品なあのうま味は、

日本人の味覚を大いに発達させ、

そして日本料理を独特の文化へ
発展させる原動力となりました。

鰹節に見る栄養素やアミノ酸のうま味

基本的に日本人以外の民族は、

味覚を5つと捉えています。

食味は「五味」からなる
というのが一般的です。

つまり

「甘い」「辛い」「酸っぱい」
「苦い」「塩辛い」

というものです。

ところが日本人は鰹節から
もう一つの味である「うま味」を生み出し、
「六味」としているのです。

そしてこの6つ目の味覚であるうま味は、

どんな栄養成分から成立しているかと言えば、

最近では科学的な解明もなされ、

その主体はアミノ酸類と
核酸(イノシン酸)

である事が分かっています。

鰹節菌は節の表面で水分を
吸収しながら繁殖する一方で、

さまざまな酵素を生産し、それを
節の内部に送り込むのです。

その酵素群の中に、鰹の魚体の
主要成分であるタンパク質を
分解してアミノ酸にする

タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)

があり、それが作用してうま味の
主要成分であるアミノ酸を
蓄積させるのです。

恐らく古来の日本人は
保存性を求めて鰹節を作った
のではないでしょうか。

しかし発酵食品としての
鰹節は栄養素やうま味など

メリットのある副産物を生んだのです。

また、イノシン酸もそのような
酵素の作用により生成され、

より抜群のうま味が相乗してくるのです。

目に見えない微生物の為せる技です。

日本の発酵食品のうま味などメリット

このように、水を吸い取ったり、
うま味成分を蓄積させたりしてくれる

ありがたい鰹節菌は、

麹菌(Aspergillus)の仲間である
アスペルギルス・グラウカスや
アスペルギルス・レペンス

という名前のカビなのです。

現代人にとって「カビを食べる」
と聞くと、

「嫌だ、不潔だ」という
思い込みがあるのでしょうが、

発酵食品はこうしたカビ、細菌、
微生物が織りなす技術なのです。

鰹節だけでなく日本の発酵食品は、

日本酒も、焼酎も、みりんも味噌も、
醤油もその麹カビが存在しないと
醸されないわけですから、

カビという生き物のメリットや
認識を見直したほうが良いでしょう。

そして大切なのは、

これら微生物は人間の為に
良い仕事をしてくれる善玉の発酵カビ菌

だけではなく、病気や腐敗を
引き起こす悪玉カビ菌は

しっかり排除すべきなのは当然です。

鰹節は保存性にすぐれ、

何よりもうま味と言うおいしい味を
作ってくれる発酵食品ですが、

さらに別の驚くべきメリットがあり、

それに気づいていないのが
我々日本人なのです。

世界各地にある発酵食品の中でも
鰹節が特筆されるべき特徴が、

鰹節を削って出汁をとっても、

その煮出汁の上に油脂成分が浮かばない事です。

この不思議なメカニズムについて
次回詳しく考えてみましょう。

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