鰹節の作り方にみる微生物、細菌、カビの作用の仕組みと特徴

鰹節の作り方にみる微生物、細菌、カビの作用の仕組みと特徴
今回のテーマは、

鰹節の作り方にみる微生物、
細菌、カビの作用の仕組みと特徴

について紹介します。

さて前回は乳から作られる
発酵食品を見てきましたが、

いよいよ今回は我が国の伝統の
発酵食品の特徴について

深く迫って行きたいと思います。

世界中にたくさんの種類の
発酵食品がありますが、

日本にもさまざまな発酵技術の
知恵があるわけですが、

ここで一つ質問です。

「世界で一番硬い食べ物は何でしょうか?」

と聞かれるとほとんどの人は、

「うーん」と頭を悩ますでしょう。

「おせんべいも硬いし、
海外にも硬そうなものはあるだろうし。。」

など、答えはすぐでないでしょう。

実はその答えは身近な食卓にある
日本の鰹節なのですが、

答えを聞くと誰もが、

「ああ、そうか」とうなずくでしょう。

実際に鰹節は世界一硬い食べ物だけでなく、

さまざまなメリット効果がある
食べ物のひとつです。

そんな鰹節の作り方にみる微生物、
細菌、カビの作用の仕組みと特徴
について見て行きましょう。

世界一硬い食べ物、鰹節

お刺身やたたきをニンニクなどを
薬味にして口一杯にほうばり食す、

あの豪快さや美味しさには
ファンも多いでしょう。

私も旬の時期には鰹を
食べる事が楽しみなのですが、

いくら鰹が好きと言っても、

鰹節になればまさに
歯が立ちません。

食べ物の一種ではあるものの、
そのまま食べる人はいません。

あの硬さは特徴のひとつでしょう。

実際に、鰹節が本当に世界一
硬いのかを計り調査した人がいるのですが、

鰹節に対抗するのは
中華料理の重要材料のひとつ
「乾鮑(かんぱお)」

つまり鮑(あわび)を干して
かちんかちんにした硬い食材ですが、

硬さの測定には食材の硬さを
計測する最新の測定器が使われました。

その結果、1㎠にかけた圧力を
反発する力の量は圧倒的に鰹節が強く、

その他さまざまな試験でも鰹節に
軍配が上がったそうです。

また、鰹節にゆっくりと
力をかけて曲げようとすると、

ある力の量の所で「バン!」と
音を立てて折れるが、

乾鮑のほうはしなやかに
ねじれるなどの違いもあったそうです。

鰹節の作り方にみる微生物の作用

まるで木のような硬さを
誇る鰹節なのですが、

どうして元々柔らかい鰹という魚が、

カンナで削らなければならないほど
剛硬になるのでしょうか?

その仕組みは、麹菌の仲間による
微生物の発酵作用による物なのです。

鰹節の作り方を簡単に紹介すると、

最初に原料となる鰹を三枚におろし、

そのおろした身を煮籠に入れて、
1時間半ほど煮た後冷やします。

これを骨抜きにしてから底を
簀の子張りにした木の箱に
4、5枚重ねて入れて、

焙乾室で堅い薪材を燃やして燻し
じっくりと数日間をかけて乾燥させます。

これが「荒節」と言われる物で、

この荒節を舟形に整形削りすると
「裸節」となります。

カビを使い丁寧に作る鰹節

これを4、5日間日光で
乾かしてから、

常に使用しているカビ付け用の
樽や桶、箱、室などに入れます。

この使い古された容器や室を
使った作り方に

実は微生物の秘密があるのですが、

この中に鰹節菌と呼ばれる細菌、
麹カビの一種が多数生息していますから、

裸節を2週間もそこに入れておくと、

その表面にはそのカビが密生します。

これを一番カビと呼びます。

これを出して胞子を刷毛で払い落とし、
日干しして、

再びカビ付けの容器や室に入れます。

二週間でカビは再度密生します。
(これを二番カビと呼ぶ)

前と同様の操作を繰り返し、

こうして三番カビ、四番カビを付け、

最後に十分に乾燥して
鰹節が出来上がります。

とにかくこれほど手間ひまをかけた
作り方で鰹節は出来上がります。

鰹節の微生物、細菌、カビの作用の仕組み

さて、四番カビまで発生させて、

鰹節屋さんが一生懸命に

カビの繁殖を促すのは、
どういう理由があるのでしょう。

それは裸節の内部に残っていた
水分を完全に吸い取らせるためです。

腐敗と発酵を分ける所に
水分という存在がありますが、

他の微生物に比べカビというのは、

その生育の為に水分を
多く必要とする物です。

湿度の多い梅雨時期に
家屋にさまざまなカビが生えたり、

浴室にカビが生えるのも
こうした理由からです。

前回まで紹介したような、

中央アジアの遊牧民から
発酵食品の歴史が始まったのも、

乾燥地帯で降雨量、湿度の
少ないヨーロッパには、
(日本の約3分の1)

カビを使った発酵食品は
カマンベールくらいしかありません。

その土地の風土に合わせて
発酵食品の作り方は変わるのです。

日本では、

味噌、醤油、日本酒、みりん、
焼酎、米酢、甘酒、鰹節など、

カビが関与する発酵食品は多いのも
こうした理由からなのです。

実に興味深い微生物、細菌、カビの
作用の仕組みと特徴を

鰹節の作り方にみる事ができます。

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