発酵食品の匂いと味のメカニズム、食材の旨味や臭みの変化と効果

発酵食品の匂いと味のメカニズム、食材の旨味や臭みの変化と効果
今回のテーマは、

発酵食品の匂いと味のメカニズム、
食材の旨味や臭みの変化と効果

について紹介します。

食文化というのは世界中で
大きく違っていて、

海外旅行に行くと現地の
食べ物を楽しむ事は

非常に楽しい事ですね。

しかし、ときどき

「え?そんな物食べれるの?」

という匂いを発する食品に
出会う事もあります。

それはたいてい発酵食品です。

そして海外から日本に来る人も、

日本食のファンになっても
発酵食品は受け付けない…

という方もやはりいます。

発酵した食品の匂いと味には
際立った特徴があります。

発酵食品の強烈な匂いと味

例えば日本の発酵食品で言えば、

近江の鮒鮨(ふなずし)はその代表でしょう。

また新島のくさやも
強烈な臭さを放つ事で有名です。

納豆やチーズもそうでしょう。

日本人でも納豆の臭さが苦手
という人はたくさんいます。

発酵食品が共通してこうした
個性的な匂いを放つメカニズムも

発酵を司る微生物の
生理作用のせいなのです。

例えば納豆は、

煮た大豆についた納豆菌
(学名:bacillus natto)

が繁殖する時に、
匂いを有する有機酸

(プロピオン酸、酪酸、吉草酸、
カプロン酸、カプリル酸など)

納豆特有の匂いを特徴づける
テトラメチルピラジンという
納豆フレーバー物質を生成します。

つまり大豆と納豆では

匂いと味だけでなく成分も
変化し効果が変わるのです。

食材の旨味や臭みの変化メカニズム

このようにして発酵食品には
それぞれに特徴的な匂いがありますが、 

その発酵食品を醸し上げる
微生物がそれぞれ固有の匂い成分を
発酵生産するからです。

納豆以外でも、

味噌には味噌の匂いを、
鰹節には鰹節の匂いを、

特徴付ける成分が発酵菌によって
生産されています。

これが食材の旨味や臭みを
変化させ効果をあげるのですが、

もし発酵食品にこうした
匂いがなければ、

その価値は半減するばかりか、

やはり楽しみがなくなってしまう
と感じるのは私だけでないでしょう。

もっとも発酵微生物は強烈な
匂い、臭みを作るだけではありません。

例えば、

お米を原料にして発酵させた
日本酒の香り、

大麦を発酵させてから
蒸留、熟成させたウイスキーの芳香、

小麦粉を水で練ってから酵母で
発酵させ焼き上げたパンなど、

胃袋がぐーっと鳴るほど、
食欲を高める豊穣な香りもあるのです。

かのように発酵というのは
人の鼻孔をくすぐらせる怪しげな
世界を自在に操ってくれるのです。

つまり健康や美容の為の効果
だけではなく、

発酵食品のこうした変化のメカニズムは

食事の味を楽しむバラエティを
増やしてくれるのです。

発酵食品で食材の効果も変化する

やはり味が変わる事に
発酵食品のメリットがあるでしょう。

煮た大豆に比べ、それを
発酵させた味噌や醤油の旨味の差は、

歴然としていますし、
生の魚とそれを発酵させた
魚醤の違いも同じです。

また、牛乳とチーズ、米と酢、
生豚肉と火腿(ホイテイ)など

食材と発酵食品を比べると、

発酵の前と後ではその旨味には
かけ離れた違いがあります。

発酵を行う微生物は、常に
原料成分を分解して旨味の
成分を醸し出すし、

またそれらの成分の一部にさらに作用して、

もっともっと旨味性の強い成分を
作り出す為に、

あのように味わい深い物になるのでしょう。

特に日本が誇る、発酵食品の
旨味の代表例と言えば、

何と言っても今から400年も前から
作り出されている鰹節でしょう。

日本の発酵食品、鰹節の旨味成分

まず粗節(原料のカツオを卸して、
その卸し身を煮て、さらにそれを燻したもの。

生節ともいい、カビ付け前の物を言う)

に糸状菌(有益発酵カビである
麹菌の仲間)を繁殖させるのですが、

この繁殖中に、糸状菌は先ず
鰹肉中の主要成分である

タンパク質を分解して、

旨味の主成分になるアミノ酸類を
豊かに蓄積させ、

さらに肉中に存在する核酸関連物質

とりわけアデノシン三燐酸(ATP)
を分解して強い呈味性を有する
5’ーイノシン酸にします。

発酵食品の味の旨味のメカニズム

この核酸系呈味物質はアミノ酸と
相乗して驚くべき旨味を

私たちの舌に感じさせてくれるのですが、

その旨味の相乗というのは、

例えば、呈味性アミノ酸の
代表であるグルタミン酸が
単独で存在した場合の

呈味力を(旨味の強さ)を
100%とすると、

そこに5’ーイノシン酸を
5%ほど加えただけでその
呈味力は旨味の相乗効果により

6倍、600%も高まると言う
データもあります。

そしてこうしたデータはあくまで
現代社会の科学でようやく分かった事であり、

その活用はずっと以前から
行われていたのです。

人間の味覚に対する相乗効果を利用し、

今から400年以上も前に
このような味のある発想を

発酵技術で行っていたのですから、

昔の日本人の知恵の深さには
まさに驚愕する思いです。

発酵食品の匂いと味のメカニズム、
食材の旨味や臭みの変化と効果を
発見した人類の賢さに、

感謝したいですね。

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こちらの記事もおススメ

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。