滋養強壮に良い発酵食品、江戸時代の健康飲料、甘酒のメリット

滋養強壮に良い発酵食品、江戸時代の健康飲料、甘酒のメリット
今回のテーマは、

滋養強壮に良い発酵食品、江戸時代
の健康飲料、甘酒のメリット

について紹介します。

滋養というのは、

「身体の栄養となること、
また、その食べ物」

のことですが、

栄養たっぷりの物を食べると
身体が元気になることは誰でも
分かっていることでしょう、

そしてこの意味に極めて適うのが
発酵食品なのです。

その理由は、発酵を司る
微生物は多種多様であり、

多様の栄養成分を発酵過程中に生産し、
食品の中に蓄積してくれるからです。

元々の食品よりも発酵させると
パワーアップしてしまうのです。

例えば、ただ煮た大豆と
それに納豆菌を繁殖させて作った
納豆とを比較してみると、

納豆のほうが圧倒的に栄養成分が高く
滋養強壮に効果的です。

また、米を蒸してそれに
麹菌を繁殖させた「麹(こうじ)」は、

もとの米に比べると驚くべきほど
栄養成分が高まっているのです。

そして、麹にお湯を加えて
位置やおいてから飲む甘酒は、

麹成分の抽出液のような
飲み物ですが、

この甘酒を例にして

その滋養強壮のメリットを
考えてみましょう。

江戸時代の健康飲料「甘酒」

江戸時代の後期、嘉永6年(1853)
に『守貞漫稿』という書物が
完成し世に出たと言います。

今で言う漫画の走りのような物で、

喜田川守貞という絵師が、

当時の庶民生活や街の物売りなどを
漫画風なタッチでスケッチし

その絵について簡単な説明を加えた物で、

これを見ると当時の生活が
より臨場感を持って感じられ、

非常に楽しい物なのですが、

その中で「甘酒売り」
という箇所があります。

今でも、現代人は初詣など
甘酒を楽しむ風習はありますが、

その『守貞漫稿』には

「江戸京阪では夏になると
甘酒売りが市中に出てくる。
一杯四文なり。」

とあります。

当時の江戸、京都、大阪では
夏になると甘酒売りが街に出てきて、

それが一杯四文、、ということですが、

私が疑問を持ったのは

「え?なぜ暑い夏に甘酒を飲むの?
普通は冬じゃないのかな」

ということです。

山上憶良の『貧窮問答歌』にも
その後の冬を謳った歌には、

やはり甘酒は冬の季語として
登場する飲み物で、

冬に冷えた身体を暖めるのに
使われてきました。

しかし『守貞漫稿』では
夏の飲み物の代名詞になっており、

『現代季語辞典』を調べてみると
やはり甘酒の季語は今でも夏ということです。

いつから日本で甘酒が夏の飲み物
になったのかは分かりませんが。

恐らく江戸時代からではないでしょうか?

不思議なことですが微生物、
発酵技術と言う面から考えると

実は合点が行く考え方が導き出せまます。

滋養強壮に良い発酵食品の救い

『守貞漫稿』が描かれた
江戸時代の平均寿命は約46歳、

女性はだいたい13歳から15歳で
嫁入りしています。

もちろん平均寿命が低い理由は
乳幼児死亡率が高かったり、

事故死の確率が高いせいもありますが、

やはり今ほど、医学も進んでいない時代

健康長寿を実現する人は
今ほど多くはなかったでしょう。

またもう少し深く調べてみると、

当時は夏の7月、8月、9月
の三ヶ月の死亡率が極めて高い
ということが分かりました。

体力的に、もし病気になっても、

クーラーも冷蔵庫もない時代です。

冬の寒さであれば火の近く
にいれば凌げても、

夏の酷暑には耐えられず、

質素な食生活を送る庶民は
体力が持たなかったり、

下水道が完備していないので蚊も多く、

夜中まで暑さと蚊で悩まされ、
夏を越すのは相当厳しかったのでしょう。

こうして夏は体力が落ち、
暑さに勝てずに、

老人や病弱者が数多く
亡くなって行ったのでしょう。

そしてこのような環境において

滋養強壮に良い発酵食品として、
江戸時代の健康飲料として、

甘酒のメリットが夏に流行した
と考えると納得ができます。

発酵食品、甘酒のメリット

夏の暑さを乗り切る為に
甘酒のいっぱいは体力回復に
即効性があったのでしょう。

というのも、

煮た米に麹と湯を加えて温めるとできる
甘酒ですが、

分析するとブドウ糖が極めて高く

(米のデンプンが麹菌の糖化酵素の
作用を受けてブドウ糖になる)

20%を軽く越します。

また、米のタンパク質も、
それを分解する麹菌の酵素によって
必須アミノ酸群に変えられ、

豊富に含まれているのです。

また特徴的なメリットとして
あげられるのがビタミン類です。

麹菌が米の表面で繁殖するとき、

ビタミンB1、B2、B6、
パントテン酸、ビオチンなど、

生理作用に重要不可欠のビタミン群を
大量に作り、

それを米麹に蓄積させる為に、
極めて多く含まれていることが分かっています。

つまりこれらの成分が甘酒に
溶け出してくるわけですから、

甘酒というのは江戸時代の
必須アミノ酸強化飲料であり、
総合ビタミンドリンク剤であり、

今で言う、栄養ドリンクのような
役割を果たしていたのでしょう。

そして、もっと正確に言えば、

今の時代でも、工場で作られる
添加物の多い栄養ドリンクより

遥かに滋養強壮にメリットのある
飲み物が甘酒など発酵飲料なのです。

江戸時代の健康飲料、滋養強壮のメリット

暑さが厳しいなか、江戸時代の人は
この甘酒の一杯で、

消耗した身体の回復効果は
重宝したことでしょう。

恐らく劇的な効果をもたらした
と言っても過言ではないでしょう。

さらにメリットとして大きいのが、

安くて簡単に作れるということです。

お金持ちならば夏バテ対策は
他にも色々できたでしょう。

しかし庶民はそうはいきません。

そんな中、市中に甘酒と言う
総合健康飲料を売り歩く物がいて、

それが庶民の手に届く四文で
一杯が飲めるのですから、

季語が冬から夏に変わるほどの
インパクトがあったとしても納得できます。

こうして「甘酒は夏バテに効く」

と夏に頻繁に飲まれるようになり、
甘酒売りが夏の風物詩になって
季語も夏に変わったのではないでしょうか。

とにっかう、当時の人たちの生活は、

現代のように何もかも揃っている
時代とは違い、

絶えず工夫が必要であり、

また、そう言う時には生きる為の
知恵がさまざま内編み出される物です。

なかでも発酵食品の知恵は、
現代時が取り戻すべき物のひとつでしょう。

ちなみに私たちが病院に入院すれば、

たいてい点滴され輸液されますが、

栄養補給の為にての血管から
ブドウ糖と必須アミノ酸、ビタミン類の
溶液が送り込まれます。

しかしよく考えてみれば
それは甘酒そのものなのですから、

そのメリットをしっかりと分かっていた
過去の人の知恵には驚嘆します。

発酵を経た滋養強壮に良い食品、

この奇跡のような存在が昔の生活には
当たり前に見られたのです。

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こちらの記事もおススメ

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。