乳糖や乳酸、乳に関わる微生物の発酵の仕組みとメカニズム

乳糖や乳酸、乳に関わる微生物の発酵の仕組みとメカニズム
今回のテーマは、

乳糖や乳酸、乳に関わる微生物の
発酵の仕組みとメカニズム

について紹介します。

前回紹介したように、

草原の乳酸菌は搾乳の中に入っていて、

どのような抗菌性物質を作り
他の菌の増殖を抑えて、

ヨーグルトのような物をもたらす
のかと言うと、

その仕組みの最大の物質は乳酸です。

乳の中には、乳酸菌が大好物
にしている乳糖と言う糖があって

(乳の中の乳糖量は哺乳動物
によって異なり、

人間の母乳には約7%、牛乳には
約四%、山羊乳には4~5%
含まれています。)

この乳酸に乳酸菌が作用すると
乳酸発酵が起きます。

乳糖はブドウ糖(グルコース)と
ガラクトースという二つの糖が
結合した物なので、

乳酸菌はまずこの二つの糖を
ラクターゼという酵素で分解して
ブドウ糖(C6H12O6)と
ガラクトース(C6H12O6)にします。

こうして生じた糖を今度は
体内に取り込んで乳酸発酵を行い、

生じた乳酸を体外に吐き出すのです。

乳糖や乳酸、乳に関わる微生物

この乳酸は抗菌性があります。

(乳酸そのものの抗菌性と、
乳酸の生成によって水素イオン指数(pH)
が大きく酸性側に傾き、

その領域内で聖域できない腐敗菌や
雑菌は抑えられます。)

多くの腐敗菌の繁殖を阻止するから、

草原の牛乳は円滑に発酵乳と
なることができるのです。

発酵乳になる腐敗を防げるばかりでなく、

酸味が出てきて爽快な味となり、

特有の発酵香も付与され、
そのうえ、栄養生物は飛躍的に高まるなど、

まさに天の恵みになり得るのです。

乳糖や乳酸など、乳に関わる
微生物や発酵の仕組みとメカニズムが
色々と働いているわけですが、

ともあれ大昔に草原で始まった、

乳の発酵物の誕生は、

以降の乳の食文化の道を
切り開く第一歩になったのです。

乳に関わる微生物の仕組みとメカニズム

ここでこれまでの説明の中で
ひとつ疑問がわいた人もいるかもしれません。

乳房内の乳にも乳酸菌が
あるというならば、

乳房内で既に乳が発酵し、

酸っぱい乳やヨーグルトのように
ドロドロ凝固した乳が、

乳から出てきてもおかしくないか?

という疑問です。

この仕組みメカニズムも生命の
不思議のひとつですが、

現実的には決してそのような
ことが起きないのです。

それはなぜかと言うと、

乳房内の乳そのものにも

乳細胞の拮抗性やラクトフェリン作用

(鉄と結合した糖タンパク質の
ラクトフェリンン抗菌作用がある)

さらにリゾチーム(侵入した細菌を
溶かしてしまう溶菌タンパク質)

と言ったさまざまな抗体群があって、

たとえ乳酸菌やその他の細菌が
乳房の中の乳に侵入したとしても、

その増殖を抑える現象が
立派に構築されている為なのです。

乳に関わる微生物と発酵のミステリアス

自然の摂理というのは、
本当に上手くできています。

生物にとってお乳というのは
生まれたばかりの赤ちゃんの健康を
守る大切なものです。

こうしたメカニズムは生まれた
ばかりの乳児の感染疾病から守る為に、

(生後半年くらい、流行性感冒や
その他ウイルスや細菌性疾病が起きにくい)

実に神秘的な現象の一因となって
いるのでしょう。

とにかく、中央アジアの遊牧民族は、

山羊や牛からの乳を利用する
ようになってほどなく、

というより同時にと言った
ほうが正しいでしょうが、

そう言った早い時期から乳を
自然に乳酸菌で発酵させて

サワリング(Souring:乳酸菌の
発酵によって乳酸ができ、
酸性化して酸っぱくなること)

をしていたのです。

そしてそれ以降は、それほど
時間を要せずして今で言う

ヨーグルトやチーズに近い物へ
進展が行われたのでしょう。

こうして乳を発酵させると
腐敗菌が侵入しにくくなり、

しばらくの間保存が効くことになります。

ヨーグルトやチーズが長持ちするのは
そのためですが、

この現象は乳ばかりでなく、

大豆の発酵による味噌や醤油、
サバやフナを飯と共に発酵させた熟鮓

さまざまな漬け物などもその例です。

乳糖や乳酸、乳に関わる微生物の
発酵の仕組みとメカニズムか
さまざまなことが学べますが、

とにかく発酵させることは
その食品を保存することに通じるのです。

そして発酵には保存以外にも
人間にとって奇跡のような恩恵をもたらします。

発酵食品は通常の食品のままより
はるかにパワーアップされるのです。

その秘密を次回紹介しましょう。

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