微生物の拮抗作用と生存と繁殖、発酵と腐敗の作用メカニズム

微生物の拮抗作用と生存と繁殖、発酵と腐敗の作用メカニズム
今回のテーマは、

微生物の拮抗作用と生存と繁殖、
発酵と腐敗の作用メカニズム

について紹介します。

前回発酵食品の歴史
ということで、

同じ乳の発酵でも日本と
中央アジアの風土に違いで、

異なってくる話を紹介しましたが、

微生物の世界では、ある生息環境下に
一定以上の微生物がいると、

その微生物のみが繁殖して
そこを独占し

他の菌がいくらその侵入や繁殖を
許さないと言う「掟」のようなもの
があります。

これを専門的には

「拮抗作用」(Antagonism)

という現象があります。

微生物の拮抗作用と生存と繁殖

この現象があるので

牧草地帯では乳は乳酸菌により
立派に発酵されるのですが、

他の場所では腐敗してしまいます。

では、こうした微生物の
拮抗作用において、

他の菌を抑えて自分やその子孫
だけが生存して生き残り、

繁殖できる現象は一体
どのような作用メカニズムにより
行われているのでしょうか。

これから「発酵」という世界を
学んで行く為にもぜひ知っておかなけ
ればならない大切な事柄なので、

ここで説明をしておきましょう。

微生物の拮抗作用の作用メカニズム

この拮抗作用を現象として
捉えられたのは実はかなり昔のことです。

西洋ではティンダルやパスツール
により発見されたと言われています。

しかしその現象を解明したのは
20世紀に入ってからのことで、

日本の斉藤賢道さんが、

1907年に日本の醸造物を醸すのに、

重要な麹菌が結核菌や多くの
悪性ブドウ状球菌の生育を阻止する
物質を生産することを立証しました。

その物質の構造は1911年に
薮田貞治郎さんが決定し、

それを「麹酸」と名づけられました。

さらにこうした微生物の拮抗現象を
持つ物質を疾病傷病の治療に応用
しようとしたのが、

イギリスのフレミングさんで
それは1922年のことです。

微生物の生存と繁殖メカニズム

彼は細菌の研究中に、タチの悪い
ブドウ状球菌の生えた寒天平板培地内に、

空気中から偶然飛び込んできた
アオカビ(ペニチリウム)が生え、

ブドウ状球菌がそのアオカビの為に
溶かされて透明となり消えてしまう
ことを発見します。

フレミングさんはこのアオカビが
細菌を殲滅し溶かしてしまったと考え、

その物質をアオカビに生産させて
拮抗物質を世に出します。

これがペニシリンの誕生です。

もちろん抗生物質は今では
新しい問題が生まれていますが、

この発見をきっかけに、

多くの微生物学者が発酵技術により
さまざまな拮抗物質を開発し、

人類の医学の進歩に貢献した
ということは周知の事実です。

そのような拮抗現象を引き起こす物質、

すなわち自らが生産して
相手の菌の生育を抑える物質を

「抗菌性物質」(抗生物質Antibiotics)

というわけですが多くの種類が
ある事が分かります。

発酵と腐敗の作用メカニズム

例えば、

先ほど紹介したように麹菌は麹酸
という物質を作り、

ブドウ状球菌を抑えますし、

アオカビはペニシリンという極めて
複雑な化合物を作ってさまざまな
悪性菌を抑えるのです。

さらに特殊なタンパク質を生産し、

それで相手を殺傷して自分
及びその子孫だけが生きると言った
微生物の例が実に多いのです。

とにかく自然環境下では、

このようにお互いを殺し合いながら、

発酵菌と腐敗菌との生存競争が
激しく行われていて、

発酵菌が勝利すれば
発酵物という素晴らしいメリットを
人々に与える事になりますが、

逆に腐敗菌が勝ってしまうと
それは人々にデメリットや危険が
渦巻く怖い腐敗物になります。

こうした基本が微生物の
拮抗作用の作用メカニズムが
関わっているわけです。

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