ガラス、レンズ、カメラ、顕微鏡に繁殖するカビ、微生物の被害

ガラス、レンズ、カメラ、顕微鏡に繁殖するカビ、微生物の被害
今回のテーマは、

ガラス、レンズ、カメラ、顕微鏡
に繁殖するカビ、微生物の被害

について紹介します。

目に見えない微生物の力は
本当に人智を越えている…

という感覚を覚えるのですが、

前回までプラスチックに巣食う
菌やカビの正体を追ってきましたが、

これもまた信じられない人が
多いかもしれませんが、

無機材料で生物の栄養には
ならないはずのレンズやガラスにも
カビは発生してしまうのです。

50年以上も写真を撮り続けている
プロのカメラマンや、

趣味で古いカメラの味わいに
親しんでいる愛好家は、

使用しているカメラのレンズと
プリズムにカビが繁殖し、

大きな被害に悩んでいるようです。

クラシックなカメラなどは
貴重品で扱いで価格も高く、

カビ、微生物の発生は
大問題になるでしょう。

今の全自動式の軽い
小型のカメラであれば、

そうした事をあまり気にする
人は少ないようですが。

ガラス、レンズ、カメラに繁殖するカビ

レンズがカビに侵される事は

すでに1935年頃から
問題になっていたようです。

当時日本は戦時中で、

カメラ、顕微鏡、双眼鏡を日本から
南方や中国大陸などの前線に
輸送して使っていましたが、

使い始めて3~4ヶ月もすると、
レンズが曇って使えなくなる事故が
頻発して困ったそうです。

なぜガラスが曇るのか…

被害が絶えず困っていたものの
理解ができません。

そこで当時、日本軍の研究機関にいた
生物専門の研究者は、

長年の経験に照らし合わせ、

レンズが曇る原因は、レンズの表面に
カビが発育したのではないかと考えました。

しかし物理学や科学の専門家から、

レンズの表面のように
水分も養分も全くないところに
生物が生きられるはずはない、

と反論されたそうです。

そこで実験を進めた微生物研究者は
さらに困ってしまったのですが、

問題の表面を顕微鏡で良く観察すると、

それまでの体験上、
カビの菌糸である事は確信できるのですが、

その部分から菌と思われる部分を
採取して培養し、

コロニーに生育させる事ができないと、
その正体を証明した事になります。

ガラスを侵食する微生物の被害

カビを培養するには、

まず5~6種の無機塩と
糖分0.2~0.3%を水に溶かし

寒天0.4%くらいを加え
殺菌をします。

それをシャーレに分注して
平板培地を作り、

(培地は微生物を生育させる
為の栄養分を含む液体の事)

表面に菌を発育させて観察します。

ところが、このカビ用の
培地の表面には、

何回繰り返して試料(曇ったレンズ)
をつけても、

発育が起きなかったそうです。

そこでその研究者は根本的に
発想を転換して、

糖分を常識を超える
40%の高濃度の培地を
創案してみた所、

結果、10日後に大きなコロニーが発育し、

それがカビである事が証明されました。

突然変異するカビ、微生物

ガラス、レンズ、カメラ、顕微鏡に
繁殖する微生物の正体…

それはカワキアオコウジカビという、

乾燥した条件でのみ発育する
種類のカビでした。

光学機器を50年以上続けて
製造していると、

レンズやプリズムの製造ラインの中で
生き続けようとするカビが、

突然変異から生まれるのです。

例えば薬品や抗生物質で
病原菌を殺菌し続けると、

大部分の菌は死滅しますが、

非常に少ない量ながら生き残る菌があります。

このような突然変異は、

菌が過酷な環境の下で生き残る為に
起こる自然現象で、

こうして生まれた菌を変異菌と言い、

薬剤に耐性を持つ菌となり、
薬剤耐性菌と呼ばれます。

これは抗生物質の弊害の所でも
紹介しましたが、

微生物は環境によって姿を変えるのです。

近代的な技術で制作される
日本の高級顕微鏡にも、

カビによる障害がたくさん
起こっていました。

今ではさらに技術が進んで
防いで行く事ができるようですが、

カメラのレンズ、顕微鏡内臓の
プリズムと小さな鏡など、

光学器械の全てに被害が発生しているのです。

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