抗菌ブームに見る抗菌製品の効果や無意味さ、安全性と危険性

抗菌ブームに見る抗菌製品の効果や無意味さ、安全性と危険性
今回のテーマは、

抗菌ブームに見る抗菌製品の
効果や無意味さ、安全性と危険性

について紹介します。

人間が感じる恐怖の
理由の一つが、

目に見えない、未知への恐怖だと言います。

ともすれば目に見えない
微生物の世界は恐怖以外の
なにものでもないでしょう。

しかし、恐怖というのは
認識すれば和らぎます。

小さい子供が夜中に
クローゼットにオバケがいる

と怖がるのも見えない恐怖から来ています。

その対処法としてお母さんは
電気をつけクローゼットを開け

「ほら何もいないでしょ?」

と子供に確認させる事です。

お化けがいない事が分かると
子供は安心して寝付けます。

同じように微生物の世界も
知らないから恐怖なのです。

知れば知るほど彼らは敵ではなく
共生すべき仲間と分かるようになります。

しかし、目に見えない
恐怖をあおりおかしな商売が
生まれる事があります。

こうした事例を抗菌ブームや
抗菌製品の効果の疑問に見る事ができます。

日本での抗菌ブームに見る菌への無知

1998年頃から、

日本では抗菌商品を
良く見かけるようになりました。

それから「何でも抗菌」
という宣伝が効いたのでしょう。

大きなブームになりました。

メーカーは家に嫌な微生物を
持ち込んで増やさない方が賢明だから、

抗菌製品を使いましょう。

と宣伝、マーケティングを行いました。

結果、多くの人が正しい
知識を持たずに、

「微生物は恐ろしい、不潔だ、
病気や食中毒の原因になる」

という偏見に惑わされている事から、

その弱点につけ込んで商売が
行われていたように思います。

ちょうど世間の世相も、

病原性大腸菌O-157で
大勢の小学生が被害を受けた
直後だった事も、

この抗菌ブームを加速させたのでしょう。

しかし抗菌製品の効果には
ほとんど意味をなさないだけでなく、

その安全性と危険性にすら
疑問がわいてきます。

抗菌製品の効果や無意味さ

いわゆる抗菌製品というのは、

日常生活で用いる
あらゆる物品に細菌やカビの汚染と
増殖が起こらないようにと、

開発、販売された商品です。

例えば銀行の窓口、ホテルのフロント、
郵便局などにある、

誰でも使える備え付けのボールペンや

靴を脱いで入る工場や病院などの
備え付けのスリッパを始め、

炊飯器、洗濯機、トイレの便座、
浴室のイスや洗い桶など、

こんなものにまで…
と思うようなものにまで

「抗菌処理をしました」

と表示されていたりします。

キレイ好きな日本人には
大変受けが良かったのかもしれません。

企業のイメージアップを
担う効果はあったようです。

が、実際に抗菌処理で
菌を退治できる効果があったのか?

と言えばそうでもありません。

抗菌製品で菌は消えなかった…

ある科学者がこうした
抗菌製品で本当に細菌やカビを
防ぐ事ができるのか、

効力試験をしてみた所、

商品を細菌を培養した液の中に
一定時間投与して、

1時間後、2時間後というように
商品を液の中から取り出し、

表面に付着した菌数を測定して、

その効果を判定する実験です。

同じく培地の中の菌の
消長も測定されました。

抗菌はブラシや包装用ラップなど
あらゆるものを用いてテストした結果、

菌数の現象は全く認められなかったようです。

カビに対する効力は、

JIS規格やASTM(American
Society for Testing and Materials)

など世界で優れた規格が設定されていますが、

それに乗っ取って、
抗菌製品の効果について試験をしても、

その効果は全く認められなかったようです。

前回紹介したような
強アルカリ性のカビ取りスプレーを
使えば確かに一時的にカビは消滅します。

しかしこれは人間にとっても
劇薬な訳ですから、

日用品は使えません。

そうなればこうした抗菌製品で
菌を対峙する事など不可能です。

抗菌製品の安全性と危険性

日本では微生物抵抗性のテストを
行う公的機関がほとんどないので、

全てメーカーの自画自賛で
宣伝されているだけです。

抗菌製品の抗菌力は無意味なわけです。

が、そもそも抗菌という考え時代が
間違っているのではないでしょうか。

むしろ抗菌製品はその効果の
無意味さよりも、

安全性と危険性が危惧されます。

スプレータイプの抗菌剤などは
ほとんどが銀の化合物を使っています。

あるメーカの説明では、

「銀は昔から安全で水に溶けないので、
効力が長続きする、」

そうですが、

水に溶けないものは、
全く薬効がないのが

科学的な根本原理ではないでしょうか。

つまり、

銀イオンになり少しずつ溶け出せば
確かに効力もあるでしょう。

しかし銀イオンの毒性は
水銀イオンと同じくらい強力
なのではないでしょうか。

たまたまこうした抗菌製品を製造している
会社の人と話す機会があったとき、

先ほどのような質問をぶつけてみたら
笑ってごまかしていました。

抗菌ブームより微生物の正しい知恵を

いずれにしても、

抗菌製品を製造している会社の人たちは、

微生物の根本を理解
していないような気がします。

そして私たち消費者も同じです。

抗菌、除菌、滅菌が解決策なのではなく、

共存が重要なのです。

抗菌ブームの乗っかり、
抗菌製品をよく使っていた人も、

初めは物珍しく好奇心も手伝い
買い求めたのでしょうが、

効果がハッキリしないこと、
或は飽きてきただけなのか、

ブームは下火になり自然消滅を
したようにも見えます。

2000年頃からあまり抗菌
という文字が注目されなくなりましたが、

しかし根本理解をしていないと、

いずれ形を変えてまた無意味な
抗菌ブームが始まるかもしれません。

正しい知識を持っていなければ
抗菌製品の安全性と危険性に
惑わされてしまいます。

確かに抗菌製品を作る人も、
微生物の正しい認識を持っていないのは
無責任な話でしょう。

しかし自分たちを守るの自分たちです。

我々は自己責任で賢くならねば
ならないのです。

薬品を使って微生物を退治する
のは土台無理な話なのです。

逆にあまりにも強力な
手段で熱心に行うと、

微生物がいじめられて抵抗力が増し、

最後には人間が抗菌剤と微生物に
逆襲される結果になるのです。

次回はいよいよ抗生物質と
人体にまつわる微生物の話を
紹介して行きます。

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