体内時計は脳だけでなく細胞に存在する、時計遺伝子の仕組み

体内時計は脳だけでなく細胞に存在する、時計遺伝子の仕組み
今回のテーマは、

体内時計は脳だけでなく細胞に
存在する、時計遺伝子の仕組み

について紹介します。

腕時計なら腕に、
掛け時計ならリビングに…

など、時間を確認する為の
時計がどこにあるかは
私たちは誰もが理解しますが、

さて、約24時間の時を
刻む体内時計は

体内のどこにあるのでしょう。

1972年、

アメリカの2つの
研究グループがほぼ同時に、

哺乳類の体内時計の
ありかを発見しました。

それは脳の中です。

脳の視床下部という
細胞集団の中にある、

視交叉上核という神経核が
体内時計でした。

この場所を壊すと、
サーカディアンリズムが消え、

その後、視交叉上核を移植すると、
サーカディアンリズムが
回復したからです。

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体内時計は脳だけでない

体内時計は脳にある…

と聞くと「確かに」
と納得できるでしょう。

しかしこの発見から
25年を経た1997年に、

さらなる意外な発見が
あったのです。

体内時計の中に時計細胞があり、
時計細胞の中に時を刻む遺伝子

と言う「時計遺伝子」がある
事が発見されます。

体内時計のありかは
脳の視床下部だけではなく、

細胞の中にもあったのです。

脳と細胞の仕組みで
体内時計は成り立っていたのです。

細胞に存在する時計遺伝子の仕組み

柱時計が振り子の揺れ
を利用して時を刻むよう、

体内時計は遺伝子から
タンパク質への化学反応の変化を
利用して時を刻んでいるようです。

その中心となるのが

Clock,B-mal1,Per1,Per2,Cry1,Cry2

と呼ばれる6個の時計遺伝子です。

これらと経緯電子から
時計タンパクが作られ、

時計タンパクが十分量になると、

遺伝子からタンパクへの
化学反応が抑制されます。

これがネガティブフィードバック
と呼ばれる仕組みです。

こうした遺伝子からタンパク生成の
一連の周期が約24時間なのですが、

こうして時計遺伝子と時計タンパクの間の
転写がリズムカルに繰り返され、

この周期の仕組みから、
サーカディアンリズムという
生体リズムが作り出されるのです。

体内時計は生存のカギを握る

地球に住む生物で、

体内時計を持たない生物はいません。

また体内時計が時を刻む仕組みは、
どの生物もほとんどそっくりです。

このことは、

地球に生命が誕生し、

生物が急速に多様化する
約5億年前のカンブリア紀以前に、

生物が時計機構を
身につけた事を推測させます。

或はその後、

生物進化の過程で
時計機構を獲得する事が
できなかった生命は、

自然淘汰の結果として
地球上から消えて行った
という事も推測されています。

こうした重要な機能だからこそ
人間の体内には、

脳だけでなく細胞の
時計遺伝子の仕組みも備わって
いるのかもしれません。

健康長寿を司る体内時計

どうして時を刻む仕組みが
生物にとってそれほど重要
なのでしょう。

それは生命維持の重要な
役割を持つからです。

例えば、

時計遺伝子のリズムが
崩れれば、

骨の形成に被害を出し、
骨折しやすくなったり、

生体リズムの異常に
がんとの関わり合いがある事も
発見されています。

時計遺伝子のPer2を
ノックアウト(完全除去)した
マウスでは、

正常マウスよりも発ガンの
確率も高まり、

ガンの成長速度も速く、
早期に死亡する事が
明らかにされました。

そしてこうした時計遺伝子を
報告した数多くの論文から、

乱れた生活リズムを回復し、
生体リズムを正常化する事こそ、

健康長寿を保つコツである
事が分かります。

こうした体内時計を調整する
健康長寿法も、

これから紹介して行きましょう。

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