人生の正午、中年期のアイデンティティの変化と発達段階の特徴


今回のテーマは、

人生の正午、中年期のアイデンティティ
の変化と発達段階の特徴

について紹介します。

心の発達や変化というのは、

何も子供や若者だけに起こる
ものではありません。

人は幾つになっても発達するのです。

特に中年期は働き盛りの労働者であり、
子供がいれば親としての役割もあります。

また、地域社会でも中心を
担うべき年代です。

人生で多くの役割を担う時期ですが、

その一方、内面的に
危うさをはらむ時期でもあります。

精神分析学の立場から
人間を捉えようとしたユングは

1933年に「人生の段階」
という論文を発表し、

その中で人の一生を太陽の
変化に例えています。

例えば40歳前後の
中年期を「人生の正午」と呼び、

太陽が頭上を通過する時期
であると説明しています。

太陽が真上を通過すると、

今度はそこに出来る影は
逆の方向に映し出されますが、

このときの変化は、
その後の人生を決定づけるような
影響を及ぼす事がある

とユングは述べています。

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人生の正午、中年期の発達段階の特徴

それは、人生の前半(午前中)
に捉えていた理想や価値観が
逆転する事を示唆するものであり、

人生の後半になって初めて、
今までとは異なる価値観に
出会う事もあるという考え方です。

つまり人生を全体として
捉えたのであれば、

この時期の発達というのは
非常に重要なカギを握るのです。

まず現れてくるのは、
身体の変化です。

中年期になると、多くの人が
体力に不安を感じるものです。

女性では更年期を迎え、
心身ともにバランスを崩しやすいです。

こうした身体の変化から

自分の人生の残り時間が、
少なくなってきた事にも気づきます。

専門用語では
時間的展望の変化と言います。

また、中年期になると

親の死、ときには自分の病気など
人生に転機が訪れる事も
少なくありません。

ユングは自己実現をしていく
過程では変化はつきものであると考え、

そうした変化過程を

「個性化の過程」または
「自己実現の過程」

と呼んでいます。

人生の刈り取りの季節

人生80年という現代社会にあっては

太陽が頭上に来る40歳以降に
様々な変化が待ち受けています。

そうした変化に富んだ過程を
いかに上手に過ごしていくかが、

自己実現への方法である
と考えるならば、

成人期以降の人生は、

若い事よりもさらに
希望に満ちた楽しい時間であると
捉える事が出来るのではないのでしょうか。

人生を四季のように捉えれば、

まさに恵の秋のような季節です。

人生80年という時代になり、

中年期に入ってから
アイデンティティの見直し、
再構築をする人々が増加する傾向にあります。

アイデンティティが
揺らぎ始めると、

改めて、自分自身のあり方や
生き方などを振り返る事になります。

中年女性のアイデンティティの
再構築の研究を行っている

岡本と言う研究者は、

中年期の心理的変化の特徴を
否定的な変化と肯定的な変化の
二側面から明らかにしています。

否定的な変化には

1.身体感覚や体力の衰え、体調の変化

2.時間的展望の狭まりと逆転

3.生産性における限界感の認識

4.老いと死への不安

と言ったものが含まれています。

一方の肯定的な変化には、

自己が確立していると言う
意識と安定感の増大と言ったものが
含まれています。

中年期のアイデンティティの見直しと再構築

最近の中年の女性たちは、

子育てが一段落するこの時期に

それまでの人生を振り返り、
自らの人生のあり方や生き方の
問い直しをしながら、

別の新しい自分探しを
しているのです。

もちろんそこにはメディアなどによる
雑音が混じり、

本当の自分の心の声が聞けていない
というケースもありますが、

自分自身と真正面から付き合う、

人生の正午、中年期の
軌道修正が上手くできれば

アイデンティティを再構築し、
自分に対する自身を取り戻す事が出来ます。

人は誰でも年をとります。

時間や体力、能力に限界がある
事を頭では分かっていても、

若いうちは実感できないものです。

しかし、中年期では自分の能力の
限界を突きつけられます。

しかしそれは表裏一体、
対処法によって変わってきます。

中年期のアイデンティティの
発達段階の軌道修正を間違えれば、

うつ病などの心の病気に
つながる事もあります。

「若くない自分」
「能力に限界のある自分」

を受け入れて、後半の人生の
舵を取っていく事が重要になります。

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